センバツ高校野球(3月18日開幕、甲子園)の出場が決まった仙台育英(宮城)が28日、多賀城市内の同校室内練習場で練習を行った。東北勢で甲子園を初制覇した昨夏の大会に登板した仁田陽翔投手(2年)は、2度目の聖地で快投して目標のプロ入りをつかむと力強く語った。
甲子園のマウンドで猛アピールする。優勝した昨夏は2試合に登板した仙台育英・仁田は「一面が観客で埋め尽くされて、一球一球に歓声が上がっていた。独特の雰囲気で、もう一回(マウンドに)上がりたいです」と思いを新たにした。高橋煌稀や湯田統真(ともに2年)とともに、甲子園経験者として投手陣を引っ張っていく。
ロッテ・佐々木朗希投手(21)と同じ岩手・大船渡一中出身。朗希と同じく、最速147キロを誇る直球が最大の武器だ。仁田はひとまずの区切りとして「センバツまではプロを目指したい。どのくらい成長できたかを甲子園で出せれば」。先輩に続くプロ入りを最終目標に、まずはプロの目に留まるくらいの実力をセンバツで発揮すると練習に励んできた。直球をさらに磨くため、冬場はダッシュなど短い距離の走り込みで体にキレを出し、投球フォームに粘りを出そうと柔軟性を高めることを意識した。
また課題の制球力向上へ「フォームの再現性が大事」と、正しい形を体に染みこませるまで投げ込みやシャドーピッチングに取り組んだ。身長175センチの体を大きく使う力投派だけに、須江航監督(39)は「フォアボールを出すのはいい。ただ、要所での制球力はないといけない」。指揮官の助言を胸に、長所を消さずに勝負どころで乱れない力を地道につけてきた。
この日は室内練習場で、打者と対戦しながら約60球を投げ込んだ。「どこと当たってもいいようにしっかり準備していきたい」と意気込みを語った仁田。その左腕でプロへ続く道を切り開く。(有吉 広紀)
〇…練習開始前の午前7時半から全部員で、人工芝グラウンドを覆う雪かきをした。この日はグラウンドだけだったが、宮城県内で雪が降った25日には学校周辺や最寄り駅までの道路の雪かきを約1時間実施。「そのときはさすがに疲れました…」と苦笑いした山田脩也主将(2年)だが、「地域の皆さんと感動を分かち合うのが自分たちの目標。少しでも力になれればと思いました」と話した。