埼玉が開幕６連勝　終了間際にヴァル・アサエリ愛が値千金の同点トライ「諦めないことが一番」

◆ラグビー　リーグワン　第６日　埼玉２１―１９横浜（２８日、熊谷）

　Ａ、Ｂ組の交流戦が始まり、昨季王者の埼玉が、横浜に２１―１９で競り勝ち、無傷の開幕６連勝とした。試合終了間際に、途中出場のプロップのヴァル・アサエリ愛（３３）が値千金の同点トライ。右腕骨折から日本代表復帰を目指す男が、チームを窮地から救った。ＢＬ東京は花園から９トライを挙げ、６０―１４の大勝。トヨタは神戸を３８―２１で下し、２勝目を挙げた。

　昨季無敗の埼玉は、やはり負けなかった。後半３５分で１４―１９とされ、迎えた同４０分。敵陣左サイド深くで連続攻撃を仕掛け、接点からプロップのヴァルがボールを拾った。「（スペースが）空いていたのでいけると思った」。左中間に飛び込んで同点とすると、ＳＯ松田力也（２８）のキックで逆転勝ち。無傷の６連勝とし、ヴァルは「諦めないことが一番。危なかったけどいい試合だった」と胸を張った。

Ｗ杯へ状態　代表活動中だった昨年９月に右腕を骨折し、今季第４節（１５日）から復帰。後半からフッカー堀江翔太（３７）らとＦＷ第１列の同時交代で出場する必勝パターンで、チームに安定感をもたらす。終盤に一時逆転を許したこの日も「もう一度、トライを取りにいこう」と仲間を鼓舞。存在感を示し、９月８日開幕のフランスＷ杯へ状態は上向きだ。「もっともっと頑張りたい」とヴァル。チームの２連覇へ、貪欲に体を張り続ける。（大谷　翔太）