昨オフの補強は非常に満足…三上大勝代表取締役GMのコンサ便り

沖縄キャンプでアピール中の小林(左端)、浅野(同5人目)、馬場(右端)ら新加入選手に三上GMも期待を寄せる
沖縄キャンプでアピール中の小林(左端)、浅野(同5人目)、馬場(右端)ら新加入選手に三上GMも期待を寄せる

 2023年のリーグ開幕(2月18日、対広島)まで残り3週間となった。昨季終了からキャンプインにかけて選手のイン・アウトもあった。アウトがあってのインの要素もあるが、昨オフの補強は総じて非常に満足できるものだったと思う。

 10位だった昨季の反省点は、札幌のサッカーを“消してくる”相手に対して勝ち点を積み上げられなかったこと。今季はそのような相手からも勝ち点をしぶとく取っていくことが一つのテーマになる。逆算したときに、どのようなポジション、どのような特徴を持った選手が必要か。そこにフォーカスしながら、それぞれにオファーを出した。

 兵役を終えて戻ってきてくれたGK具聖潤(ク・ソンユン)以外に、全くの新加入は4人。MF小林祐希(←J1神戸)はトップ下やシャドーも魅力的だが、ボランチも選択肢になる。経験も豊富な彼が1人加わったことで「より攻撃的に行く」というオプションが増える。攻撃的なサッカーを消しにきた相手に対し、もう一つギアを上げられる能力がある選手。キャンプ中も現場から好感触を聞いているし、期待は大きい。

 MF浅野雄也(←J1広島)には、札幌に必要不可欠な「スピード」がある。昨季は、FW小柏剛が離脱した際など別のやり方を選んできた面もあるが、今季はスピードという手を常に持った上で、昨季トライした別のオプションも出していけるはずだ。

 DF馬場晴也(←J2東京V)、FW大森真吾(←順大)は24年パリ五輪世代。先のカタールW杯以降、クラブとして「赤黒を着た代表選手を輩出したい」ということを今まで以上に強く思っている。3年目のFW中島大嘉や24年加入内定のDF岡田大和(福岡大)もそうだが、クラブの掲げる「北海道とともに世界へ」を体現するためにも、彼らをぜひパリ経由で次回W杯に送り出したい。馬場は練習試合で務めたボランチ以外にも、3バック中央や右も適性十分。昨季のようにDF岡村大八に何かあった際の底上げやDF田中駿汰のボランチ起用も可能だろう。チームとして力を落とさずに、バリエーションを増やせる選手だ。強さ、得点力を備えた大森にはストライカーとして日本サッカー界の力になれる可能性、資質がある。FW中島とともに、来日2年目のFW金健煕(キム・ゴンヒ)と競いながら大きく育ってほしい。

 MF高嶺朋樹(→J1柏)の移籍では、日本人選手のJリーグ間の移籍としてはトップクラスの移籍金が入った。下部組織出身でもあり残念ではあったが、そういうものを残してくれたことへの感謝もある。今季のチームにも楽しみな若手は多い。彼らを育てながらシーズンをしっかりと戦い抜くことができれば、クラブとしても大きな財産、最高の形になると思っている。(株式会社コンサドーレ代表取締役GM 三上大勝)

 ◆三上 大勝(みかみ・ひろかつ)1971年9月17日、室蘭市生まれ。室蘭大谷高、札幌大を経て、94年から2年間、当時JFLのNEC山形でプレー。ポジションはDF。99年に当時の札幌の運営会社「北海道FC」入社。00年から強化部スカウト。07年に強化部長に就任し14年からGMを歴任。同年から一般社団法人コンサドーレ北海道スポーツクラブの代表理事も務めていた。今年1月、コンサドーレの代表取締役GMに専任となった。

サッカー

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×