巨人の京本真投手(18)が27日、ジャイアンツ球場で行われた育成練習に参加。この日、第95回センバツ高校野球大会(3月18日開幕・甲子園)の出場校が発表され、大分・明豊3年時にセンバツ準優勝に終わった春を思い返した。「センバツの悔しさがあったから頑張って、プロに入れるまで成長できた」。
聖地での経験は京本にとって財産となった。「人生が変わりました。責任と自覚というかというのが芽生えたので、チームのためにと思うのがより強くなりましたね。個々の能力じゃ勝てないんで甲子園は」。
思い出すのは3年春。決勝戦で同期入団の石田を擁する東海大相模と対戦した。同点で迎えた8回から登板するも、サヨナラ打を浴び、準優勝。「自分の準備の甘さで、大会前に足首のじん帯をけがしてしまった。背番号1をもらっているのにそういうことも準備できない。野球以外の面でもしっかりちゃんとしないいけないという考えが出てきました」。自己管理の甘さを痛感した。
それでも甲子園での悔しさが原動力となっている。オフは大勢の自主トレに同行。朝5時から始まる過酷なトレーニングに食らいつき、心も体も強くなった。自主トレ中には捕手・小林にボールを受けてもらった。「『こいつ絶対今年くるから』って言ってもらってうれしかった」と自信をもらい、「(1軍で)やっぱり受けてもらいたいですね」と思い描いた。
目指すは、師匠・大勢に後ろを投げてもらえるような先発投手。「やっぱりのんびりできないですね。一日でも早く活躍して、親孝行したい。それが一番です」。甲子園での涙でにじんだ光景が、京本を強くする。(水上 智恵)