エディー・ジョーンズ氏が占うラグビー6か国対抗 2・4開幕WOWOWで全試合放送&配信

スポーツ報知
エディー・ジョーンズ氏

 ラグビー欧州6か国対抗(シックスネーションズ)が2月4日に開幕する。2連覇を狙うW杯(9月8日開幕)の開催国、フランス、世界ランキング1位のアイルランド、W杯で日本と同組で新体制になったイングランドと、ウェールズ、スコットランド、イタリアが戦う。

 今年も全15試合を放送、ライブ配信するWOWOWが、昨年末までイングランド監督を務め、先日オーストラリア代表ヘッドコーチに電撃就任したエディー・ジョーンズ氏に見どころ、注目ポイントを聞いた(取材は22年12月下旬)。

 ―今回はイングランドを離れてから最初のシックス・ネーションズとなります。

 「イングランドにはしっかりとしたベースがあります。FBフレディー・スチュワード、SOマーカス・スミス、SHジャック・ヴァンポールトフリート、WTBトミー・フリーマン、SHハリー・ランドールなど、たくさんの若手が台頭してきました。彼らにとってシックス・ネーションズで経験を重ねることは、ワールドカップに向けて素晴らしい準備となります」

 ―やはり若手の成長を気にかけていらっしゃいますね。

 「コーチングとは若手を引き上げていき、最初のキャップ獲得(代表デビュー)を実現させ、彼らの発展を観察することです。その過程で彼らが自信を得て、安定感を持つ姿を見たいと思っています」

 ―その意味でもイングランドから目が離せませんが、他の国についてもうかがいたいと思います。まずは22年大会王者のフランスですが、どのように見ていますか?

 「最も成熟した2チームであるフランスかアイルランドが今大会のトップに来るでしょう。特にフランスはカウンターアタックを得意とするチームですが、それができるバックスはもちろんのこと、強烈なフォワードも備えています。現在はスクラムやモールが非常に大事で、その面での彼らが優位に立っています。ですから、フランスに勝つのは本当に大変です」

 ―フランスの注目選手を挙げていただけますか?

 「間違いなく鍵となるのはSHアントワーヌ・デュポンです。バックロー(FW第3列)のようなフィジカルの強さを持ち、WTBのようなスピードもあり、9番(SH)と10番(SO)を合わせたような器用さもあります。ほぼ2選手分の働きをする彼は素晴らしい選手です」

 ―フランスとともに優勝候補に挙げたアイルランドについてはいかがでしょうか?

 「とても結束力のあるチームです。その結束力を生かしたポゼッションゲーム(マイボールをキープし続ける試合運び)を基礎にしています。その中で、SOジョナサン・セクストンは彼らにとって非常に大事な選手です。なぜなら彼はチームのデシジョンメイキング(意思決定)を高いレベルで行っているからで、それは世界のほとんどのチームができないレベルにあります。加えて、FWの働きも凄まじいです。おそらく世界のどのチームよりも運動量が多いでしょう。このチームに勝つのも非常に難しいと思います」

 ―スコットランドはいかがでしょうか?

 「アイルランドとは正反対で、彼らはいわば試合を壊そうとするチームです。アイルランドが結束力を持ってゲームを作り上げるのに対し、スコットランドは混沌とした状況を作ってプレーすることを望みます。その中心には、世界で最もクリエイティブな10番、SOフィン・ラッセルがいます。彼は良い試合と悪い試合の差が大きいことが問題ではありますが、彼が良い時のスコットランドはとても危険な存在となります」

 ―ウォーレン・ガットランド氏がヘッドコーチとしてカムバックしたウェールズは、どう見ていますか?

 「ウェールズにタフさが戻ってくるでしょう。ガットランドが率いたチームはどこも高いレベルのタフネスを持ってプレーしていました。ブレイクダウンでもタフだし、空中でもタフです。チームに高い運動量をもたらします。そしてその指導によって、チームはスコットランドのようにカウンターアタックを主体とするゲームをするでしょう。ディフェンス面でもよりタフになるでしょうね」

 ―そのウェールズに昨年勝ったイタリアはいかがでしょうか?

 「世界で最も進歩したチームです。ヘッドコーチのキアラン・クローリーはとても経験豊富な指導者で、彼によってイタリアはエンジョイしたラグビーができるようになりました。SOパオロ・ガルビジは素晴らしい選手ですし、キャプテンのフランカー、ミケーレ・ラマロはボールを激しく奪い、FBアンジェ・カプオッツォは衝撃的な走力を有しています。こうした素晴らしい選手を抱えているだけに、今回のシックス・ネーションズは近年で最も競争が激しくなるでしょう」

 ―激しい争いになるということですが、優勝は最初に挙げたフランスかアイルランドに絞られそうですか?

 「どの試合もタフな接戦になると思いますが、やはりその2カ国が優勝候補と言えるでしょう。両国のセットピース(スクラムやラインアウト)バトルは凄まじいでしょうね。特にラインアウトを制した方が試合に勝つと思います。最終的にはペナルティゴールが勝敗を決めるような、ロースコアの試合になると見ています」

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