3年ぶり15度目のセンバツ出場が決まった智弁和歌山・多田羅浩大中堅手(2年)は27日、甲子園での応援を楽しみにした。
小学生の頃に母に連れられて行った甲子園。そこで目を、いや耳を奪われたのは、アルプススタンドの応援だった。今も趣味は、高校野球の応援曲を聴くこと。「テンションが上がるんですよね」。動画サイトなどで、全国の高校の応援曲を聴いている。
智弁和歌山と言えば、重厚なチャンステーマ曲「ジョックロック」がおなじみだ。多田羅は「ジョックロックも好きですよ。でも…」と言いよどんで「ホンマは大阪桐蔭の曲が一番好き」と告白。「大阪出身(泉南郡岬町)なので、入学前は大阪代表を応援していたこともあって」と説明した。
その多田羅は1番打者として打線のキーマン。青山達史、中塚遙翔(はると)の3、4番コンビはセンバツで注目される強打者だが、中谷仁監督は「ウチのポイントは多田羅。彼が出塁することで、中軸が生きる」と期待を寄せる。昨秋の公式戦での出塁率が5割を超える多田羅も「ボクが塁に出て、足を使って、相手をびびらせたい」と役割を自負する。
初戦で敗れた昨夏の甲子園は2番打者として出場。「打席では集中していて応援が聞こえなかった。守っている時は、相手の応援が聞こえる」と守備の時間をひそかな楽しみにする。“大好き”な大阪桐蔭は優勝候補。「対戦? 大阪桐蔭の曲を聴いたら、ボクのリズムも良くなると思いますよ」。智弁和歌山の切り込み隊長には、相手校の応援が活力になる。