【高校野球】聖光学院「冬を制する者は、夏を制す」、チーム一丸へ人格を変える

東北大会準決勝で敗れ、涙する高中主将(右)
東北大会準決勝で敗れ、涙する高中主将(右)
昨秋は打率5割と好調だった高中主将
昨秋は打率5割と好調だった高中主将

 センバツ高校野球(3月18日から14日間、甲子園)の選考委員会が27日に開かれ、出場36校がオンラインで発表される。記念大会のため、東北地区の一般枠は2から3に増加。昨秋東北大会4強の2校が“残り1枠”を争う。聖光学院(福島)は昨夏甲子園4強を経験した高中一樹主将(2年)を中心に「人格改造」をテーマにミーティングを重ね、チームのまとまりを強化している。

 「冬を制する者は、夏を制す」。聖光学院・斎藤智也監督(59)は「受験生と真逆のことを言っているんだけれどね」と笑うが「本当に冬の努力次第で変わる。その意識をしっかり持って力をつけようと話している」と冬の重要性をナインに説いている。

 昨秋の東北大会では準決勝で東北に2―6で敗れた。「1番・二塁手」で出場していた高中主将は「技術の未熟さが最後の部分で出たと思うし、チームとしてつながりが足りなかった」と振り返る。「試合後、ベンチは泣いていたけれど、控えはそうじゃない選手もいた。昨年の先輩たちを見ていたからこそ、温度差を感じてしまった」と、昨夏甲子園4強に輝いたチームとの違いに気づいたという。

 その姿に指揮官も「野球以外の部分に働きかけることが多いね」と「人格を変える」ためのミーティングをしてきた。歴史上の人物や偉人などの名言や生き方、本から抜粋した言葉などをプリントで配布するなど気持ちの成長を促し「勝負師として強くなってほしい」と期待。高中も「気持ちの問題はすぐに改革できる。監督さんからヒントをもらって、同じ人だけが引っ張るのではなく、全員がチームの一員だという意識で活動できることが徐々に増えてきた」とすでに効果を実感している。

 厳しい冬を越えた先に待つ春に向け、高中は「センバツに関係なく、とにかく自分たちにできることを続けるのみです。もう夏の一本勝負なんだという気持ちで、先輩たちを超える自分たちの色を出したチームをつくっていきます」と、すでに熱い夏を見据えて銀世界の中で闘志を燃やした。(秋元萌佳)

東北大会準決勝で敗れ、涙する高中主将(右)
昨秋は打率5割と好調だった高中主将
すべての写真を見る 2枚

野球

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×