【箱根への道】東洋大・松山和希誓った2区で「最後は区間賞」…1年4位2年5位3年故障&インフルで欠場

第99回大会で苦しんだ東洋大の松山和希(左)と石田洸介は第100回大会でのリベンジを誓った
第99回大会で苦しんだ東洋大の松山和希(左)と石田洸介は第100回大会でのリベンジを誓った

 第99回箱根駅伝(2、3日)で東洋大は10位。継続中として最長の18年連続のシード権(10位以内)を死守したが、22年度のシーズン当初、優勝を目標に掲げていたチームにとって満足できる結果ではない。エース松山和希(3年)は体調不良で登録メンバーから外れ、松山の代わりに2区を走った石田洸介(2年)は一時、最下位を走るほど苦戦した。挫折を経験したダブルエースを中心に第100回大会で巻き返しを期す。

  埼玉・川越市郊外の田んぼ道。熱狂あふれる箱根路とは対照的に静寂に包まれた場所で、東洋大の松山は懸命に走っていた。「花の2区」で1年時4位、2年時5位。鉄紺のエースは今回、故障とインフルエンザ感染のため無念の欠場から再スタートを切っている。

 最上級生で迎える第100回大会。酒井俊幸監督(46)に「もう一度、2区を走り、相沢晃(現旭化成)の記録(1時間5分57秒)を超えよう」とゲキを飛ばされた。2区の給水係として、同学年の中大エース吉居大和(3年)の激走を目の当たりにした後、目標をさらに明確に設定した。

 今回、吉居は1時間6分22秒で区間賞を獲得。「来年、吉居君は相沢さんの記録を超える可能性もある。そうであるならば、その吉居君に勝たなければならない」と偉大な大先輩と強力なライバルを超えることがターゲット。「最後は区間賞を取りたい。それがチームのためになる」と話した。

 東農大二で5000メートルの高校日本記録(当時)を樹立した石田も初の箱根路で味わった挫折を糧にする。2区で1時間10分4秒の区間19位。20キロ付近では最下位を走った。終盤に大東大のワンジル(2年)を抜くことが精いっぱいだった。「一時、最下位まで落ちたことは分かりませんでした。それどころではなかった。記録、順位ともに話になりません」と振り返る。その上で「松山さんを生かす走りをして、貢献したい」と1区などの出陣を希望した。

 22日の全国都道府県駅伝では福島の松山は7区39位、群馬の石田は出番なし。悪い流れは断ち切れていない。22年度は当初「箱根駅伝優勝」を目標に掲げたが、23年度は慎重に設定する。酒井監督は「今季は出雲9位、全日本8位、箱根10位。優勝とは簡単に言えない。まずは足元を固め、全員で目標を決めたい」と話した。

 松山をはじめ、東洋大のメンバーは、チーム関係以外は誰もいない田んぼ道で地道に走り込んでいる。第100回大会で“1秒を削り出す”走りで大観衆の喝采を浴びるため。戦いは始まっている。(竹内 達朗)

埼玉・川越市郊外の田んぼ道で必死に走る東洋大のエース松山和希(左から3人目、左端は酒井監督)
埼玉・川越市郊外の田んぼ道で必死に走る東洋大のエース松山和希(左から3人目、左端は酒井監督)
第99回大会で苦しんだ東洋大の松山和希(左)と石田洸介は第100回大会でのリベンジを誓った
埼玉・川越市郊外の田んぼ道で必死に走る東洋大のエース松山和希(左から3人目、左端は酒井監督)
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