神村学園高FW福田師王、覚悟のドイツ挑戦…「いい報告ができるように」パリ五輪世代23年の誓い<4>

スポーツ報知
福田師王

 神村学園高FW福田師王が、ドイツ1部ボルシアMGで新たな生活をスタートさせる。将来の日の丸入りを狙う18歳は、「パリ五輪も狙っているし、狙っているだけじゃなくて、中心選手としてやっていきたい。パリ五輪までの時間を大切に過ごしていければと思う。結果を残して、少しでも早くA代表にも入っていけたら」と強い決意を胸に、日本を飛び立った。

 動き出しや力強いシュート、ポストプレーを得意としたストライカー。昨年3月に福島で行われた日本高校選抜の活動中、福田はドイツ1部バイエルンへの練習参加に臨むことを明かした。1年時からJクラブも獲得に動く注目の的だったが、「自分でも信じられなくて、でも純粋に楽しみしかない。自分はまだまだだけど、どこまでできるのか試したいし、そこでしか得られないこともあると思う」と目を輝かせた。当時、高校選抜や世代別代表でともに戦い、1年先に同じく高卒でドイツ・シュツットガルトに加入したDFチェイス・アンリと一緒に、ドイツ語を一生懸命覚えようとしていた姿も思い出される。

 1週間過ごしたバイエルンでは「正直何もできなくて自分にイライラした」と振り返る。それでももう一度、次はボルシアMGの練習参加のチャンスをつかんだ。さらに昨夏、2度目の練習参加。海外で目をぎらつかせる同年代の「野心」を目の当たりにした。「ガツガツしてたしみんな命をかけてた。削りにいってでもボールを奪う、シュートを何が何でも打つ。毎日の練習で自分が試合に出るんだとアピールして、自分はまだまだだそういうところが足りないなと」。貪欲さを身につけ、プレーを磨き、ここでもっと成長したい―。思いはグッと強まった。

 高卒で日本から世界に直接渡り、いわゆる“成功”を収めた前例はあまりない。何度も「Jリーグを一度経験したほうが良いのでは」という声を聞いた。1年前には、自分が海外に行くことなど、想像もしていなかった。それでも最後は「早いうちに世界に行ってみたかった。自分が成功例になって道を広げられたら」と挑戦する道を選んだ。ボルシアMGの持つ施設面での充実具合や、同じチームに所属する日本代表DF板倉滉の「早い段階で世界を体験できると将来が変わる。言葉も覚えられる」との助言も、福田の背中を押した。

 どんなに寒い日や雨の降る練習でも、「そっちのほうが気合入るので!」と半袖半ズボンでボールを蹴る。出国直前も神村学園を象徴する真っ赤なジャージ姿で、「早くサッカーがしたい」とはにかんだ。1年時から注目や期待、同時に厳しい声を浴びたこともあったが、「結果が出なくて申し訳ないと思ったことは何度もあるけど、プレッシャーに感じたことはない。苦しい時期でもやっぱりサッカーが大好きなんで」と生粋のサッカー少年。「いじられてばっかです(笑い)」と後輩にも慕われる先輩だ。

 有村圭一郎監督は「本当にきついこともあったと思うけど、3年間でここまで大きくなって、神村学園にも多くを残してくれた」と常に満足することなく向上心を持ち続けた教え子の進化に目を細め、そして「ここからがもっと大事」と伸び代にも期待を寄せていた。

 「日本はストライカー不足と言われるけど、世界で活躍していける選手になりたい。まだまだ下手くそだけど、サッカーに対してもっと真剣に取り組む。プロの世界で結果を残して、いい報告ができるように頑張る」。まずはセカンドチームから、トップチームデビューを目指す。その先に見据える、日本代表の舞台へ。ドイツの地でも「福田師王」の名を思い切り響かせてほしい。(小口 瑞乃)

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