歌舞伎俳優・市川猿之助率いるメンバーで構成された演劇プロジェクト「猿之助と愉快な仲間たち」の第3回公演「ナミダドロップス」(3月8~14日、東京・神田明神ホール)の取材会が26日、都内で行われた。
今回は歌舞伎の「金幣猿島郡(きんのざいさるしまだいり)」と名作「ノートルダム・ド・パリ」を融合させた現代劇に。近年、活躍目覚ましい歌舞伎俳優・市川青虎(せいこ)が演出を手掛け、青虎と慶応中時代に同級生だった藤倉梓氏が脚本を手掛ける新作オリジナル。
今回は女優・松雪泰子を迎え、猿之助、元劇団四季の下村青を中心に、若手役者も多く出演する。
演出に専念する青虎は、猿之助から「今回は一出演者として参加し、口出しはしない。自分の責任で演出し、評価や批判される中でやっていけばいい」と託されたという。
そもそも、このプロジェクトは猿之助が、コロナ禍で舞台に立つ機会がなくなった役者たちに「出演の機会を与えたい」一念で始まった。出演だけでなく、公演の運営や収支など裏方の大変さを学ぶ場ともなっている。
青虎は「公演を継続させていくことの難しさを痛感します。まだこコロナ禍の厳しさも続いている。でも厳しい状況だからこそ、やらなくてはいけない。今作を再演、再々演できるものに」と語った。京都芸術劇場・春秋座(3月19日)、愛知・岡崎市民会館あおいホール(同21日)でも上演される。