【明日の金ロー】ディズニーランドに変化をもたらした「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」

スポーツ報知
ジョニー・デップ演じるジャック(右)とエリザベス(キーラ・ナイトレイ)(C)2006 DISNEY ENTERPRISES, INC.

 27日の金曜ロードショー(後9時)は、3週連続の「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズから、第2弾の「―デッドマンズ・チェスト」(2006年)を放送枠を35分拡大して放送。来週2月3日に放送される第3弾「―ワールド・エンド」(07年)との前後編という位置づけになっている。

 舞台は前作から3年後。晴れて結婚することとなったウィル(オーランド・ブルーム)とエリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、直前で海賊のジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)に協力をした罪で逮捕される。自由の身を得る条件は、ジャックが持つ不思議なコンパスを手に入れることだった。

 一方、前作で海賊船ブラックパール号を取り戻し、再び船長として大海に繰り出したジャックは、「さまよえる幽霊船」ことフライング・ダッチマン号の船長で、深海の悪霊ディヴィ・ジョーンズと交わした契約の期限が近付いていることを忠告される。その契約を破棄するべく、ジャックは「死者の宝箱=デッドマンズ・チェスト」と、その箱を開ける鍵を追い始める―。

 「パイレーツ―」シリーズの面白さは、デップ演じるジャックからあふれ出すワイルドさと、時折見せるコミカルさのコントラストが見事にハマっているところにあるのは確か。だが同時に、見た目や口調などから、ハチャメチャな人物のように思えるジャックが実は”常識人”で、論理的な部分も持ち合わせた人物である一方、巻き込まれる形となったウィルとエリザベスの2人が無鉄砲で、目的のためには手段を選ばないという、海賊に向いている性格だった「ギャップ萌え」にあるとも考えている。

 本作では、その姿が前作以上にふんだんに描かれており、前作以上に痛快さを感じるだろう。特に、クライマックスでのエリザベスとジャックのやりとりには、一瞬「えっ、そう来るの?」と思わせてからの「なるほどね」と、見ていて思わずニヤリとしてしまうのではないだろうか。

 ところで、シリーズは現在まで5作品が製作されているが、本作は米国では最高の興行収入(4億2300万ドル=約550億円)を記録(日本での興収は「―ワールド・エンド」の方が上)した。第1作以上の盛り上がりを見せた中で実現したのが、「本家超え」だった。

 ご存じの方も多いように、同作はディズニーのテーマパークにある「カリブの海賊」をモチーフにしたもの。ウォルト・ディズニー自身が最後に監修したアトラクションとして、1967年3月18日に米カリフォルニアのディズニーランドで最初に公開された。

 当時は、実在した海賊ジャン・ラフィートをヒントにアトラクションが作られていたのだが、06年に公開時期に合わせてリニューアル。その時に追加されたのが、ジャックの存在だった。いわば、映画の人気を受けて、”原作”が変更されたというわけだ。

 この流れは各地のパークにも広がり、東京ディズニーランド(TDL)も07年7月にリニューアルオープン。ジャックの姿を見ることができるようになった。ちなみに、TDLの「カリブの海賊」は、昨年9月から今年の4月7日まで約7か月にわたって長期休業中。映画のシーンが新たに加わるということはないだろうが、どのように変更がなされるのか、今から楽しみでもある。(高柳 哲人)

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