eスポーツ部などが有名な札幌新陽高だが、負けじと存在感を示しているのがアグリクラブだ。校舎敷地の開墾から活動はスタートし、今年度はミント、唐辛子、ほうれん草などの栽培に挑戦している。過去には収穫した野菜などを加工し、販売したというプロジェクトも経験している。
水やりを忘れては大変で、学校が休みになると交代で面倒をみる。コロナ禍で中々、外での栽培が難しいがそれでも部員たちは愛情を持って、農作物に触れている。畑を耕す時、くわをうまく使えない部員がいると、他のメンバーが助け船を出す。
顧問の川崎淳一先生は「自分たちの手で作るということで、今までの当たり前に対していったん考え、感謝の気持ちを持つことができます。農業的な活動を通して自然を直接体験することで得られることは多くあり、それらが今後の人生に役立つと思っています」と話した。
新陽高がある南区澄川の地域は火山灰質で、土壌としては痩せている。そのため農作物作りには不適だが、かつて水田と果樹園であふれた澄川の地域を思い出しながら、土壌改良の手は何かないかと日々模索し、研究している。「畑を耕し農作物を育てるのは楽しい」と部員たちは目を輝かせている。
◆札幌新陽高校 アグリクラブ(農業クラブ) 2009年に創部。部員は7人。校内外にある畑を有効活用し、一次産業の活性化、循環型農業の普及を目指し週2回、活動している。農業だけでなく「地域と学ぶ・地域を学ぶ」という視点から環境調査活動にも取り組んでいる。札幌新陽高校は1958年創立、男女共学の私立高。所在地は札幌市南区澄川5条7丁目1の1。
※新型コロナウイルス感染対策を十分行って活動しています。