織田信成、35歳で現役復帰「20代前半ちゃう?」って錯覚される演技を…冬季国体へインタビュー

スポーツ報知
昨年11月の現役復帰戦で演技する織田信成

 フィギュアスケート男子の2010年バンクーバー五輪代表で、昨年に9年ぶりの現役復帰を果たした織田信成(35)=大阪スケート倶楽部=が25日までにスポーツ報知の取材に応じた。2度目の競技人生で出場を目指して来た冬季国体(29日から成年男子、青森・八戸市)で「優勝したい」と宣言。20代の頃のように強化された体力と、質の高まった4回転ジャンプを武器に、「やれることを完璧に」と35歳がリンクで輝きを放つ。

 昨年11月、一人のスケーターが、3247日ぶりに戦いの舞台へと戻って来た。26歳で引退した織田は、その後、ショーへの出演や解説者など幅広く活躍してきた。21年2月には左膝を手術。コロナ禍の影響で滑る機会が激減し、体と技術は想像以上に劣っていた。本気で体を戻すため、1月の冬季国体を一つの区切りとし、競技会への復帰を決めた。

 「貪欲に優勝を狙っていきたい。SPは4回転1本で90点以上、フリーも4回転は1本で175点は目指していきたい。他の選手はもっと高い構成で来ると思うので、自分のやれることを完璧に。出来栄え点を高く狙えるよう、跳び上がりから着氷まで意識したい」

 体は、57キロから53キロに絞った。約9年ぶりにSP、フリーの両プログラムを滑るため、淀川の周りを30キロ走り込むなど体力強化。35歳で自らを追い込む日々を織田は「楽しい」と口にする。激しい代表争いをしていた20代の頃には感じることの少なかった新たな気持ちで競技と向き合っている。

 「(20代は)『勝たないと』ってプレッシャーがすごく心の奥底にあった。今は本心で『ほんま出し切るしかない!』みたいな。結果がどうであれ、まず出し切らないと、復帰した意味がない。年を取るって悪いことだけじゃない」

 同じ時期に世界で活躍してきた選手には、元世界女王の浅田真央さんらがおり「スケート好き世代」と織田。中でもアイスダンサーとして世界大会で活躍する36歳の高橋大輔(関大KFSC)の存在が今は大きい。

 「大ちゃんの場合、今までやってきていないことに挑戦してるってところがすごい。僕も同世代として、朝起きたときのしんどさっていうのは、なんとなく分かるので(笑い)。ほんとに尊敬しています」

 自分のため、そして後輩たちの希望となるため滑りで進化の可能性を証明していく。

 「『35歳であれやばいな!』って思ってもらえるような演技を。年齢はもうバレていますけど、パッと見て『20代前半ちゃう?』って錯覚してもらえるようなそういう演技がしたい。一緒に出場する若い子たちが自分のスケートを見て、『30まで頑張れるかも』と思ってくれたらうれしい」

 ◆信成に聞く

 ―復帰戦では「35歳でもできる」ことを自らのスケートで体現した。

 「僕の尊敬するアスリートが、マラソン世界記録保持者で38歳のエリウド・キプチョゲ選手で、『日本のキプチョゲにならなあかんな』と思って。『それくらいの年でも最高のパフォーマンスができるんだよ』と、証明したい」

 ―復帰後、子どもたちからの反応は?

 「僕がおなかを見せたとき、小6の長男に『腹筋バキバキやん。パパ、トレーニング頑張ってんねんな』って言われて。そのときに初めて褒めてもらいました(笑い)」

 ―国内のトップ選手もエントリー。楽しみな選手は?

 「まず草ちゃん(山本草太)。彼は度重なるけがもあって応援していたし、そういう選手と一緒に戦えるのはすごく光栄。一緒に大阪代表として出る友野(一希)君も。世界選手権の代表の選手たちと戦って、自分がどこまでできるのか、ちょっと見てみたい」

 ◆織田 信成(おだ・のぶなり)1987年3月25日、大阪・高槻市生まれ。35歳。元選手だった母・憲子さんの影響で7歳からスケートを始め、2005年世界ジュニア優勝。08年全日本選手権優勝。GPシリーズは05年NHK杯など5勝。10年バンクーバー五輪7位。13年12月の全日本選手権後に一度、引退。22年11月の冬季国体派遣選手選考会で約9年ぶりに復帰した。164センチ。

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