◆卓球 全日本選手権 第2日(24日、東京体育館)
混合ダブルスで前回優勝の張本智和(19)=IMG=、早田ひな(22)=日本生命=組が準々決勝進出を決めた。初戦の2回戦から3試合を勝利。準々決勝はともに5月の世界選手権個人戦の出場権を獲得している篠塚大登(19)=愛知工大=、木原美悠(18)=エリートアカデミー=組と対戦する。ジュニアでは女子で9歳の松島美空(京都カグヤライズ)が小3の大会記録となる2勝を挙げたが、3回戦は敗れた。
“はりひな”ペアが2連覇へ好発進した。4回戦の相手は小林広夢(日大)、出沢(いでさわ)杏佳(専大)組。前回も同じ4回戦で当たり、3―2で辛くも勝利したペアだった。第1ゲームは落としたが、第2ゲームは試合中に話し合って戦術を転換し、3―8から逆転。3―1の勝利につなげ、張本智は「また苦しい展開だったけど、勝ち切れたのは成長だと思う」と胸を張った。
昨年は初出場で頂点に立ったが、6試合とも接戦を戦い抜き、ストレート勝ちは一度もなかった。今大会は初戦の2回戦から2試合を3―0。さらに、早田は「昨年はこうだったよなと記憶をよみがえらせながら、台や会場の雰囲気に素早く慣れることを大事にしていた」と振り返る。台の感覚やボールの弾み具合、照明などを確かめ、内容も伴った2勝で波に乗った。
今大会に向けてペアで練習を行えたのは前日23日だけだったが、大会前の今月上旬には世界選手権アジア大陸予選会(カタール・ドーハ)に出場した。1試合を戦い、世界選手権の出場権を獲得。厳しい日程ではあったが、張本智は「全日本に向けて気を引き締めるためにもいい大会だったと思う。そのおかげで今日もいい入りができた」と直前に実戦を積めたこともプラスに捉えた。
21年世界選手権で銀メダルを獲得し、今大会でも2連覇が期待される。早田は「今回は追われる立場でプレッシャーは感じているけど、切羽詰まらないように練習や移動中も2人でいろんな話をして、いい雰囲気でできている」と語る。張本智も「相手が100%以上を出してきても、それを上回れる力はあると思う。今日みたいに諦めずに1本1本粘っていけば、2連覇の可能性はあるんじゃないか」と自信を見せた。今大会はともに3種目に出場。力を合わせ、まずは1冠を取りにいく。(林 直史)