SKY‐HI インタビュー ロングバージョン(2)

スポーツ報知
本紙インタビューに答えるSKY‐HI(カメラ・小泉 洋樹)

 昨年12月に発売したラッパーのSKY―HI(36)のアルバム「THE DEBUT」が好調だ。6枚目のオリジナル盤に本人も「明るさを感じる作品になった」と手応えを感じている。2005年にパフォーマンスユニット・AAAとしてデビュー後は、グループ活動とラッパーのはざまで「充足感を感じることが少なかった」とも。BMSGの社長、BE:FIRSTなどを手掛けるプロデューサーと様々な肩書を持つが、その出発点は幼少期にあるようだ。自らがたどった経験を血肉にし、新たな音楽シーンに挑戦するカリスマに、曲作りへのこだわりやグループ時代の苦悩、そしてラップへの思い入れやBE:FIRSTのプロデュースの裏話などいろいろ聞いた。(ペン・国分 敦、カメラ・小泉 洋樹)

 ソロデビューしてからも、ストレスを溜めている状態が続いていたが、アーティストの宿命と捉えている。

 「自分はラッパーとしては珍しく2013年に(「愛ブルーム/RULE」で)メジャーデビューしました。ソロとして明確に売って、大衆性を得て市民権を得るっていうことに貪欲にやってきたつもりです。武道館公演をやり遂げた達成感もあったけど『もっと評価されていいのではないか』というか、その葛藤はずっとありました。それこそBE:FIRSTのメンバーも、これから抱えなければいけないストレスとプレッシャーっていうのが出てくるでしょう。どれだけ評価されていたり成績を得たとしても、上には上がいて下には下がいる。成績が数字という比較の基に成り立っているので、その呪縛はずっとあるんです」

 プロデューサーとしてBE:FIRSTの成功では、今までとは違った景色を見たようだ。

 「歌詞として出てくるワードっていうのは、日常と非常に密接なものです。それがBE:FIRSTとかの誰かに曲を書いてる時と自分の作品を作る時の一番の差なのかもしれないです。自分の場合は人に曲を書く時の方が楽です。BE:FIRSTの時は特に当て書きで、誰がどういうメロディー似合うとか、誰にはどういう言葉が合うとか考えて作っていて、それが彼らの作品性の高さを担保していると自負しています。歌割についても完璧に出来ていると思っていて、自分の中でのプロデュースは、そこまでをやることを指している。だからBE:FIRSTの初アルバム『B:1』が音楽的に評価されたのは、実はすげえーうれしかったのはあります」

 ―アーティストやプロデューサーとして評価されているが、嬉しさに違いはあるのか。

 「どうやらありますね(笑い)。プロデューシングに関しては目標設定までがすごく明確なので、一喜一憂しない。やるべきことをやっていくだけなので…。自分のこともそのくらい客観的に愛情を持って過ごせると、葛藤も減って穏やかでしょうけど、人間、それって難しいじゃないですか。なので評価を受けたことに対しての感情的な跳ね返りは、プロデューシングした時の方が大きいですし、直接手掛けていないNovel CoreやAile The Shotaら自社のアーティストの成功の方が喜びに近いです。作品を作る時、自分のゴールっていうのが世間一般よりも所属アーティストに『かっこいい』と思われたいので、作る時に邪念が少ないです」

 高2の時にJay―Zの「好きな音楽好きな仲間とやるのが最高」という言葉に触発され、2020年に自らの会社を設立した。夢の実現までには数々のハードルがあったと思うが…。

 「そうですね。ここまでくるのに時間がかかりました(笑い)。苦労したところは2個あって、一つ目は当たり前かもしれないですけど『独立する』という強固な意志を持つことでした。ラッパーやシンガー、DJにトラックメーカーら仲間を集めてっていうパターンはありましたが、2017年ごろから“やりたい気持ち”が募っていきました。一方で『どうやら自分はやれている側の人間』と若い方から認識をされて、相談もたくさん受けるようになっていたんです。『なんでかな~』と考えたら、グループ(AAA)をやりながら、メジャーではないラップで武道館公演を成功させたりしていたんで『うまくいっている人』って思ってくれたんでしょうね」

 後輩ミュージシャンの悩みを聞くうち、強固な意志が作られていったようだ。

 「自分ってヒップホップシーンやJポップシーンであれ、評価されない時期も長ければ、評価されてからそれなりの時間も経ている。それにライブハウスからクラブ、ホールからアリーナ、そしてドームまで全ての知見があったし、そこにたどり着くまで動線含め何が大変で、ストレスが溜まっている時に何を見落とすかも経験している。相談乗っているうちに自分のたどった足跡の中に答えがあることが非常に多くて、いやほぼそこに全部答えがあったので『自分のために独立するより、俺がやるべきことって、こういう人たちのために旗を揚げることなのか』って思いました」

 ―かなりの人が相談に来たのか。

 「はい。相当いたんで『もしそれを束ねることができたら面白いし、束ねることができるのはおそらく自分だけかな』って。それは自分のためだけでなく、日本の音楽業界の中で今一番必要なモノじゃないかとも感じました。音楽という自分の一番好きな媒体に対して、唯一できる恩返しするためにも『これが自分のやるべき仕事なんだ』という強固な意志となりました」

 ◆SKY―HI(スカイハイ)1986年12月12日生まれ、千葉県出身。36歳。2005年にAAAのメンバー・日高光啓としてCDデビュー。13年にソロ名義・SKY―HIとして「愛ブルーム/RULE」でメジャーデビューし、17年に日本武道館公演も果たす。20年に独立してBMSGを設立。同年、ボーイズグループ発掘オーディション「THE FIRST」を開催し、翌年にプロデューサーとしてBE:FIRSTをデビューさせる。血液型O。

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