ヒューストンマラソン(15日、米国)で日本歴代2位の2時間19分24秒をマークし優勝した新谷仁美(積水化学)が23日、都内で行われた優勝会見に出席。24年パリ五輪へ「今の時点で、私の気持ちの中にはありません」とトラックを含め、全ての種目で五輪を目指さない意向を示した。理由について「私の中で五輪に出ること、日本代表になることが全てではない。アスリートに求められることは結果を出すこと。でもそれは、パリ五輪に出なくてもできる認識でいます」と説明した。
また実際に経験した、21年東京五輪も一つの理由だった。「とても言いにくいですが、今まで五輪が正義だと思われていたと思うんですけど、私は東京五輪を経験して『今どれだけ五輪が国民に求められているのかな』と選手として感じたのが大きかった。アスリートって独りよがりでできる仕事ではない。一人で突っ走ってできるものではないと東京で感じたからこそ、自分の中で日本代表や五輪を目指すのはなくなったというか、今の時点では無いと思いました」。
今年は春から夏にかけて5000メートルのトラックレースに加え、5キロや10キロのロードレースにも出場予定で、その後9月のベルリンマラソンで再度日本記録更新を狙う。「そこまでは勝負っていうより、全て記録を狙うためにやっていこうと思っています。駅伝では勝負に徹していこうと思っています」とした。