◆大相撲 ▽初場所千秋楽(22日、東京・両国国技館)
元大関の西十両12枚目・朝乃山(28)=高砂=は14勝目をマークし、来場所の再入幕を決定的とした。
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14日目に優勝を決めた朝乃山が、再入幕を引き寄せた。長身2メートルの北青鵬との立ち合いは左上手を取って右差し。最後は出し投げで崩すように投げ飛ばした。6場所ぶりの十両復帰場所を終え「15日間相撲を取れたことが幸せで、感謝の気持ちでいっぱい。(十両Vは)一つの通過点」と充実感をにじませた。
同10枚目以下での14勝以上Vは、15日制が定着した1949年夏場所以降では過去7例で、残留は59年秋場所・宇田川の1例だけ。番付は他力士の成績に左右されるが、今場所は幕内に休場、引退力士を含めて最低4枠が空く見込みで昇進は決定的だ。
2月27日の春場所番付発表で正式に昇進が決まれば、大関経験者が幕下以下に転落後、幕内に戻るのは横綱・照ノ富士に次いで2人目。東京後援会の東豊昭幹事長によれば、場所後に再十両をねぎらう激励会を開催するが、急きょ「優勝祝賀会」に名称を変更するという。
取組直前の千秋楽恒例の協会ごあいさつでは、控えの花道から土俵上の役力士を見つめた。「もう一回あそこに戻りたい気持ちになりました。今年は三役を目指したいです」。帰ってきた朝乃山の新たな挑戦が始まる。(竹内 夏紀)