◆全国都道府県対抗男子駅伝(22日、広島市平和記念公園前発着=7区間48キロ)
一般(社会人、大学生)が2区間、高校生3区間、中学生2区間の計7区間48キロで争われる。コロナ禍の影響で21年、22年は中止されたため、3年ぶりの開催。ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝、1日)や箱根駅伝(2、3日)で活躍したスター選手に加え、日本の将来を担う高校生や中学生が出場。郷里の期待を背負って安芸路で躍動した。
1週間前の15日に京都で行われた全国都道府県対抗女子駅伝では岡山・津山鶴山中3年のドルーリー朱瑛里(しぇり)が3区(3キロ)で38位から17人抜きの快走を披露し、9分2秒で区間新記録をマーク。強烈なインパクトを残した。男子の中学生も2区(3キロ)で各選手が健闘した。
首位でタスキを受けた兵庫・平岡中3年の新妻遼己が8分17秒で区間賞を獲得し、後続を突き放した。双子の弟の昴己も6区(3キロ)を出走予定だったが、当日朝に体調不良のため、欠場が決まった。新妻遼己は「弟の分も走らなければ、と思いました。長嶋(幸宝、西脇工)君がいい位置でタスキを持ってきてくれました」と話した。
昨年8月に3000メートルで8分15秒21の日本中学歴代2位の好記録をマークした山形市第十中3年の菅野元太は最下位でタスキを受ける苦しい位置ながら8分38秒の区間8位と健闘。順位をひとつ上げた。母・真貴子さん(旧姓・伊藤)は実業団の第一生命で活躍したランナーで、1997年の東京国際女子マラソン優勝などの実績を持つ。「母には『レース前の準備が大事』というアドバイスを受けています」と話す。将来、母のような日本トップレベルの選手を目指す。
社会人あるいは大学生が担う最終7区(13キロ)には好選手、注目選手がそろう。今年の箱根駅伝で立大を55年ぶりの出場に導いた長野の上野裕一郎監督、青学大のエースで今年の箱根駅伝で2区2位だった愛知の近藤幸太郎(4年)、箱根駅伝を制した駒大で7区5位だった滋賀の安原太陽(3年)、箱根駅伝5位の順大で10区区間賞と活躍した静岡の西沢侑真(4年)、箱根駅伝8位の創価大で4区8位だった東京の嶋津雄大(4年)、箱根駅伝は故障から復活途上のため無念の欠場となった東洋大エースで福島の松山和希(3年)ら学生トップクラスのランナーが出場する。旭化成で鹿児島の市田孝ら実業団のトップクラスも出走する。ゴールまで目が離せない展開が続く。