【巨人】梶谷隆幸激白「積み上げてきたものは正直どうでもいい」移籍3年目005からの逆襲

室内練習場でバットを振り込む梶谷隆幸(カメラ・宮崎 亮太)
室内練習場でバットを振り込む梶谷隆幸(カメラ・宮崎 亮太)

 巨人の梶谷隆幸外野手(34)が21日、開幕スタメンを目標に掲げ、完全復活への思いを激白した。昨年5月に左膝内側半月板縫合手術を受けた影響で今季は育成選手として再出発。この日、G球場で約1年ぶりとなる屋外での外野ノックを行い、マシン打撃でも快音を連発した。今季が4年契約の3年目。キャンプは2軍スタートが決まり「レギュラーを取らないといけない。積み上げてきたものは正直どうでもいい。アピールしないと」などと熱く語った。

 青空の下で風を感じながら白球を追う。天然芝を走り回って捕球する。梶谷にとって新鮮な感覚だった。左膝手術後、初の屋外での外野ノック。「1年ぶりくらい。だいぶ良くなってきましたね」。偶然、新人合同自主トレ中のルーキーの守備練習と時間が重なり、一緒にノックを受けた。「かわいいですね」。自身のプロ1年目を思い返しながら気持ち良さそうに汗を拭った。

 昨年は21年10月の腰椎椎間板ヘルニア手術の影響で2月のキャンプから慎重に調整。その過程で3月に左膝を痛め、5月に手術し、1軍だけでなくファームを含めても実戦出場なしに終わった。DeNAから推定年俸2億円の4年契約で移籍して3年目の今季はリハビリに専念するため育成選手で再契約。通算904安打、123本塁打と実績十分の男が背番号「13」から「005」になった。

 「積み上げてきたものは正直どうでもいい。(球団は)治してちゃんとやってくれ、と思っていると思うので、その期待に応えられるように。レギュラーを取らないといけないので」

 キャンプはリハビリに専念する立ち上げ班でも3軍でもなく2軍。それはコンディションが戻ってきた証しだ。実戦出場は「3月に入って」と青写真を描く。開幕戦は3月31日の中日戦(東京D)。「そこを目指したいし、そのプランで動いている」と開幕スタメンへの強い意欲をみせた。

 原監督は不動の中堅手だった丸を右翼で起用し、中堅を新外国人のブリンソンや新人の萩尾ら若手で競争させる構想を描く。右翼が本職の梶谷は「丸がどうとかいうより、自分が体をしっかりしてアピールしないといけない」とはい上がる覚悟だ。

 そのために、打撃練習では右手と左手の間を指1本分空けてバットを握る打法で調整中。室内で行ったマシン打撃では快音を連発した。「左手10、右手0という感覚で打っている。右投げで右が強いので、左手をずっと意識している。球が速い投手だと(バットの)ヘッドが落ちるとファウルになっちゃうので、あけると立ちやすい」と独特の感覚を追究して磨く。

 実戦は21年9月の2軍戦以来、遠ざかっている。「(万全までは)走ることがもう少しですね。あとは1年何か月か投手の球を見てないので、変化球が来た時にどう体が反応するか分からないですけど、今のところは問題なくやれてる感じです」。完全復活へ、梶谷は静かに心を燃やしている。(片岡 優帆)

 ◆G移籍後の梶谷

 ▽開幕スタメン(21年3月26日) 古巣・DeNAとの開幕戦(東京D)に「1番・右翼」で無安打

 ▽満塁弾(3月27日) 4点リードの7回、右翼席へ移籍後初安打

 ▽左太もも痛(5月23日) 中日戦(バンテリンD)で途中交代。25日に抹消

 ▽骨折(7月10日) 6月に1軍復帰も阪神戦(甲子園)で死球。右第3中手骨骨幹部骨折で翌日抹消

 ▽腰痛(9月25日) イースタンで実戦復帰。3安打も28日から別メニュー

 ▽腰手術(10月27日) 徳島市内の病院で腰椎椎間板ヘルニア手術

 ▽左膝手術(22年5月12日) 都内で左膝内側半月板縫合手術

 ◆梶谷 隆幸(かじたに・たかゆき)1988年8月28日、島根・松江市生まれ。34歳。開星高(島根)から2006年高校生ドラフト3巡目で横浜(現DeNA)入団。外野手に転向した14年に初めて規定打席到達し、39盗塁で盗塁王。20年オフにFAで巨人入り。通算956試合で打率2割7分、123本塁打、420打点。180センチ、85キロ。右投左打。年俸2億円。

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