50歳葛西紀明が繰り上げで3季ぶり出場…本戦にはあと一歩及ばず

スポーツ報知
予選で108メートルを飛んだ葛西

◇W杯ジャンプ  男子札幌大会 第1日(20日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=HS137メートル、K点123メートル)

 新型コロナの影響で国内では2020年以来3年ぶりとなる男子W杯が開幕。個人第14戦として行われ、体調不良者が出て繰り上がりで20年2月の札幌大会以来3季ぶりのW杯予選に臨んだ葛西紀明(50)=土屋ホーム=は通過50位にわずか0・4点及ばない51位だった。21日こそ本戦出場を果たしてW杯個人戦通算570戦目とし、自身の持つギネス世界記録更新を目指す。22年北京五輪個人ノーマルヒル金メダルの小林陵侑(26)=同=は地元で今季初優勝を飾った。

 わずか22センチ差の“予選敗退”がレジェンドの心に火を付けた。自身3季ぶりのW杯舞台、当時と同じ大倉山で予選に臨んだ葛西は108メートルの73・7点で51位。50位とわずか0・4点差、飛距離換算で22センチの僅差。それでも50歳での挑戦に、地元開催を待ちわびた観客からも、外国選手からも熱い視線が送られた。「ジャンプの内容は良くなかった。その中で、あと1人、あの僅差。燃えてきました」と少しの悔しさと、らしい闘争心をにじませた。

 まさに寝耳に水のサプライズだった。海外W杯転戦組の他に開催国枠(7人)出場選手を決める14、15日の下部コンチネンタル杯と記録会は次点で選考漏れに。「一度は諦めていたし、体は動かしながらも爆食していた」と明かすが、前日19日に体調不良者が出て繰り上がりが決まった。当の本人は歯医者で横になっていた所、鬼のような電話が。「誰だよ何回もと思ったら(所属のアシスタントコーチ・古賀)マックスで。『出れるよ』って」。勝負師としてW杯モード切り替えは時間もかかり辞退も考えたが、「50歳だし、せっかくのW杯。自分の飛ぶ姿が力になる人もいるはずだから」と不屈のレジェンドらしく出場を決断した。

 紆余曲折はあっても3季ぶりW杯舞台参戦の事実は周囲に勇気も与えた。この日は1週間ぶりのジャンプ。21日も出場予定で、予選突破からの正式な“本戦出場”は手の届く所にある。「今日は怖かったから体重計も乗らないで来た。一晩食事とかも頑張って。せっかくだから(予選を)通りたい」。ギネス世界記録更新でW杯通算570戦目に立ち、W杯組返り咲きへ弾みとする。(川上 大志)

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