ジャンプ男子は、札幌市・大倉山ジャンプ競技場(HS137メートル、K点123メートル)で個人第14戦が行われ、北京五輪男子個人ノーマルヒル金メダルの小林陵侑(26)=土屋ホーム=が、135メートル、130メートルを飛び合計271・5点で今季初優勝。22年2月ラハティ大会(フィンランド)以来11か月ぶり、W杯個人通算28勝目をつかんだ。
3年ぶりの国内W杯で、陵侑が最高の凱旋を飾った。1回目にヒルサイズに迫る135メートルで2位につけると、2回目は3段下がった9番ゲートから130メートルを飛びクバツキ(ポーランド)を逆転した。今季初、そして国内開催のW杯で初勝利。「(地元で)初優勝はうれしい」と君が代を聞きながら、安どの表情を浮かべた。
今季は7位(11月ビスワ大会)が最高と、日本のエースも北京五輪翌シーズンは苦しんできた。スーツの計測方法なども変わり、他の日本選手同様にもがいたが、1週間前の一時帰国から、ここでの巻き返しにかけてきた。練習も重ね、集中を高め、今大会は新調したスーツで一発回答。「いろいろなことがあって苦しんできた。皆さんもサプライズだと思うけど、僕自身も驚いている」と、いたずらっぽく笑った。
この日はバス1台を貸し切って訪れた、所属企業約50人の前で躍動。21、22日と戦いは続く。「もう少しお客さんも入って、もっと盛り上がって飛べればうれしい」。昨季のW杯個人総合&北京五輪王者が、地元Vを弾みに、一気に浮上する。(川上 大志)