◆大相撲初場所 13日目(20日、東京・両国国技館)
元大関で再十両・朝乃山(高砂)は、金峰山(木瀬)との1敗対決を制して12勝目を挙げた。大一番で薄氷の白星を手にした元大関は「相手が勝っているか、運がよければもう一番かという考えでしたね。勝ちは勝ちなんですけど、相撲内容は納得いっていないです」と視線を落とした。
注目の大一番に向けては、「1敗してから吹っ切れた気持ちでしたので、今日もチャレンジャーの気持ちで、思い切って楽しんでいこうという気持ちでいきました」と臨んだ。立ち合いは金峰山に突き放され、得意の右四つになれず、「距離を取られてから少し焦りが出たと思います。相手の突きを受けるだけの形になったのは反省点ですし、あの突き落としも思い切りやった結果です」。突っ張りで応戦も後退し、土俵際で苦し紛れに突き落とし。ただ金峰山の手も土俵に着いており、微妙な展開となった。
防戦一方の展開に、朝乃山も「自分的には足が出たのかなと…」。それでも物言いの末、金峰山の手が先に着いていたと判断され、軍配通りで12勝目を挙げた。朝乃山の勝利を告げる審判の説明が場内に響くと、大きく息を吐いた。
今場所はハイレベルな優勝であれば、春場所での再入幕の可能性がある。2敗の大翔鵬(追手風)が敗れたため、14日目に朝乃山が勝ち、金峰山が敗れれば十両優勝が決まる。朝乃山は「あと2日間ありますので、また切り替えて集中してやっていきたいですね。(残り全勝なら再入幕も?)来場所は来場所ですので、今場所を集中してやっていきたいですね」と淡々と力を込めた。