◆大相撲 ▽初場所13日目(20日・両国国技館)
昨年の実業団横綱で、幕下15枚目格付け出しの落合(宮城野)が7戦全勝で幕下優勝を果たした。同40枚目・風賢央(押尾川)との6戦6勝同士の対決を制してデビュー場所優勝。幕下15枚目以内での全勝優勝は優先的に翌場所での十両昇進となるため、春場所(3月12日初日・エディオンアリーナ大阪)で史上最速となる所要1場所での新十両昇進に前進した。
落合は立ち合いで風賢央につっかけられたが、2度目の立ち合いで左四つに組み止め相手の出足を止めた。土俵中央で組み合いながら、前に出る相手の動きを見ながら、「相手が一瞬腰を引いたので狙った」と突き落としを決めて白星を7つ並べた。「素直に優勝できたことがうれしい。デビュー場所はすごく楽しかった。目の前の相手にできることをしっかりする。準備してきたことが運良くこういう結果になった」と喜んだ。
部屋では連日、元横綱・白鵬の宮城野親方から指導を受けており、「相撲のことばかり考えて、相撲バカになれというように言っていただいた」と大横綱の薫陶を胸に土俵に上がった。今場所後に新十両の可能性もあるが、「まだわからない。明日から次の場所に向けて稽古を頑張りたい」と無心。むしろ場所後の28日に同親方の引退相撲があることを意識。「親方もまげがあるうちに(新十両の)会見をしたいと言っておられた。あまり表に出さなかったが自分が絶対やってやるという強い気持ちを持っていた」とはなむけの勝利を意識していたことを明かした。
落合は180センチ、153キロの体で押し相撲を得意としており、鳥取城北高2、3年で高校横綱に輝いた。昨年9月の全日本実業団選手権を制覇し、幕下15枚目格付け出し資格を認められ宮城野親方に弟子入り。今場所に初土俵を踏んだ。入門に際して「師匠の記録を超える気持ちで入門する。大相撲を盛り上げられるような横綱になりたい」と力強く語っていた通り、いきなり大器の片りんをみせつけた格好となった。