中日・大野奨太捕手が“再会”を心待ちにする選手がいる。今季、楽天からトレードで加入する涌井秀章投手だ。同学年ということもあり、中日への移籍が決まってから「よろしく」と連絡も取り合ったという。
実績、知名度、経験。全てにおいて球界屈指の力を持つ涌井。日本ハム時代は、何度もライバルとして大野奨の前に立ちはだかったからこそ、その実力は一番よく知っている。球界最年長捕手となった背番号27は「本当にすごいピッチャーだから、率直に早く球を受けてみたい。ワクと一緒にバッテリー組んで、勝てたらうれしいね」と目尻を下げた。
大野奨は昨季8試合に出場に終わったものの、新型コロナで離脱者が出たときは若手投手を引っ張り、試合の出場がなくてもベンチで同僚へのアドバイスは惜しみなかった。昨年末、トミー・ジョン手術を行った東洋大の後輩・梅津晃大投手と食事をしたときも「絶対焦っちゃだめ。梅津の力が必要になるときは必ず来る」と激励した。梅津も「奨太さんの言葉を信じて、リハビリ頑張ります」と再びやる気がみなぎった。
大野奨は現在、沖縄・宮古島で谷元、山本らとともに自主トレ中。17日に屋外でフリー打撃を見たとき、軽々とフェンスオーバーする姿を見て、また一つ今季の楽しみが増えた。大野奨と出会って5年目になるが、発する言葉や言動は一つも変わらない。むしろ年々楽しそうに野球しているように感じる。ひょっとしたら、チーム一かもしれない。「個人的な成績よりチームが勝つことに貢献できればそれでいい。立浪監督を胴上げしたい」。プロ15年目のキャンプは、2軍・読谷からスタート。また沖縄で元気な姿を見るのを心待ちにしています。(中日担当・長尾 隆広)