【カタールを語る Part2】カタール人にサッカーは向かない?熱がなく、試合中に帰ってしまう人たち

スポーツ報知
記者席から見たW杯の閉会式の様子。さすがカタール。お金のかかった演出だった

 今回のW杯は、全部で21試合を現地取材した。両国のプライドをぶつけ合う、サッカーの魅力が詰まった面白い試合だった(歴史的凡戦だった日本|コスタリカを除いて)。

 試合会場の雰囲気は、各国のサポーターの「色」が反映される。同じ試合会場だとしても、対戦カードによって空気感が大きく異なるのだ。両国のサポーターが醸し出す雰囲気で、その国のサッカー文化が表れる。

 優勝したアルゼンチンは、圧巻の一言だった。まず、人数が違う。その人数に甘えることなく、1人ひとりの声量もとんでもなく大きい。劇空間を作り出す。

 なお日本では、家や車などの家財を売り、仕事を投げ出したアルゼンチンサポーターがカタールに大挙している、といった報道のされ方をしていると聞いた。

 実際にそういう方もいるにはいるだろうが、必ずしもそればかりではないだろう、というのが現地の肌感覚だ。

 彼ら彼女らの多くは、英語を話していた。試合前後は礼儀正しい人が多い。数年前にアルゼンチンを訪れた時は、英語が話せる人なんて数えるほどしか見かけなかった。きっと、それなりのキャリアの人が多いのだろうと思う。言い換えれば、4年に1度、世界のどこかで大騒ぎできるようなキャリア形成をする人が多いのかもしれない。

 最も独特だったのが、そしてアルゼンチンと対極にいるのが、開催国のカタールだ。まず、根本的に「高みの見物」なのだ。

 エクアドルとの開幕戦では、0|2の後半途中からスタンドの空席が目立ち始め、試合終了のタイミングでは半分以上が座席を去っていた。諦めが早いというか、冷めているというか。国内リーグも集客に苦戦していると聞く。

 ゴール裏の中心エリアに100人ほど、応援歌を歌うサポーターがいた。統制のとれた応援を繰り返し、会場を扇動していた。しかし、何というか、応援に幅がないというか、熱がないのだ。声は出ているけども、喜怒哀楽に欠ける。真偽不明だが、周囲の記者とは「あれ、金で買われている人たちだよね」という見解で一致した。カタール人の特性を知る当局が、熱気不足を懸念し、応援団をお金で雇ったのではないか。そんなウワサが実際に流れたし、限りなく事実に近いと確信している。

 カタールは人口の80%以上が外国人労働者という異質な国だ。残りの大半は、俗に言う富裕層が占める。テニスだったり、ゴルフだったり、高貴なスポーツが向いている国なのかもしれない。サッカー文化が根付くのは難しそうだと感じた。

 話は飛ぶが、驚くことに、カタールに純粋な「カタール料理」は存在しないのだという(中東料理、アラブ料理はあるが)。国としての歴史の短さもあり、愛国心のような感情を持つ機会がカタールにはあまりないのだろうと思う。

 森保ジャパンがアジア奪還を目指す23年のアジア杯もカタール開催となる(時期未定)。W杯のためにスタジアムを7つも作ったこともあり、今後も国として国際大会の招致に動いていくのだろう。その観客があの様子では、あまりに寂しい。

 ◆岡島 智哉(おかじま・ともや) 2016年、報知新聞社入社。これまで40か国ほどの渡航歴あり。横浜FM、鹿島、名古屋を担当し、22年から川崎担当。1か月半ぶりに帰国し、最初に食べたのはカツ丼。イスラム教は豚が食べられないらしいが…。一度騙されたと思って食べてみてほしい。カタールの皆さん、豚はうまいよ。

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