【カタールを語る Part1】8割が「外国人」で男女比8対2、子どもの姿が見当たらない?本当に不思議な国カタール

スポーツ報知
ほとんど毎日通ったスーパーマーケットの店員さん。滞在最終日に別れを惜しんでパシャリ

 W杯取材のため、カタールに46日間滞在した。11月7日に森保一監督らチームスタッフと同便でカタール入りし、アルゼンチンの優勝を見届け、12月20日に日本へ帰り着いた。

 「つくづく、不思議な国だったな」と思う。世界有数のハブ空港であるハマド国際空港から一歩外に出れば、すぐにそこが、世界の中でもかなり異質な部類の国であることがわかる。

 まず、人口の80%が外国人労働者である。インドやバングラデシュ、ネパール、フィリピンなど、アジア各国からの出稼ぎ労働者が人口の大半を占める。

 大まかに言えば、彼ら彼女らがその他20%の富裕層にサービスを行う、という構図で国が成り立っている。

 W杯中も、あらゆる建物や道が建設されていた。男仕事となる土木や建設関係の職種が多いため、人口の男女比は、おおよそ8対2だという。男子校から共学になって間もない高校のような雰囲気だ。

 外国人労働者は、祖国に妻や子どもを残して単身でカタール入りするケースが多いらしい(銀行警備員の男性は「(祖国の)バングラデシュの10倍は稼げる」と言っていた)。

 そのため外国人労働者同士で結婚することもほとんどなく、とにかく街に子どもが少ない。カタールほど、いびつな形の人口ピラミッドもなかなかないのではないか。

 そして、この国は「夜行性」だ。夏場だと日中の気温が50度を超える日もあるため、1年を通して昼間は家にいる、という文化がある。ショッピングモールは深夜1時過ぎまで人で賑わっており、時間の感覚がおかしくなりそうだった。地球温暖化が進んだ数百年後、もしかしたら数十年後、日本もこうなるのだろうか。

 宗教上の理由から、アルコールが飲めないのも特徴の1つ。飲めるお店も探せばあるが、外国人旅行客用のバーなどに限られる(私が訪れた店はカクテル1杯2500円という法外な価格であった…)。

 しかし「飲み会文化」がないかと言えば、そうではない。ジュースを飲みながらだったり、水タバコ(シーシャ)を吸いながらだったり、パフェを食べながらだったり。職場の仲間や友人同士でテーブルを囲み、ワイワイやる姿が見られた。「お酒があるから飲み会がある」と思っていたが、どうやら人間の特性として「飲み会」は欠かせないもので「お酒があればなお楽しい」のかもしれない。

 そんな国なので、どういう国民性なのか、と問われると非常に難しい。純粋なカタール人と接する機会はほとんどなく、私が日々携わっていたのは、それぞれ異なる文化を持つ外国人労働者の皆さんだからだ。

 イエスで首を横に振る人がいたり(あれは本当に困った)、カレーを素手で食べるレストランがあったり(あれは本当に困った)、ここは東北の山奥だったか、と錯覚するほどの訛りの効いた英語を話す人がいたり(あれは本当に困った)。

 同じ特徴があるならば「郷に入っては郷に従え」の精神でうまく対応できるのだが、人によって「郷」が異なるため、その場その場での臨機応変さが求められる。

 秋田県ほどの大きさの小国ではあるが、アジア数か国を旅したような経験値を得られる。逆に言えば、1か月半滞在したにも関わらず、自分は「本当のカタール」を知ることができたのか、よく分からない。できた気もするし、できていない気もする。つくづく、不思議な国だ。

 ◆岡島 智哉(おかじま・ともや) 2016年入社。通算40か国ほどの渡航歴あり。横浜FM、鹿島、名古屋を担当し、22年から川崎担当。カタール滞在最終日、長期間お世話になったホテル従業員の皆様に日本代表のタオルマフラーをプレゼント。想像以上に喜んでくれたため、勢いで「また来年のアジア杯(カタール開催)で来るよ!アイル・ビー・バック!」と言ってしまった。男に二言なし。約束は果たさねば。スポーツ報知上層部の皆さん、どうか岡島を派遣する方向でご検討を。

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