【大学野球】国学院大・鳥山泰孝監督、今年のテーマは「笑顔で勝つ」…その真意とは

スポーツ報知
今年のビジョンについて語った国学院大・鳥山泰孝監督(カメラ・加藤弘士)

 東都大学野球リーグの国学院大が15日、横浜市内のグラウンドで今年の初練習に臨んだ。鳥山泰孝監督(47)は練習前、ナインに約2時間の「所信表明演説」を行い、「笑顔で勝つ」を今年の重要テーマに掲げた。

 やる気に満ちあふれたナインと対面し、勝負師としての心が熱くなった。新たな戦いに挑む心境を、鳥山監督は素直に表現した。

 「やっぱり1月を迎えると、グッと身が引き締まる思いです。勝負の世界に身を置く者として、本当の楽しさがこの先、待っているなあというところですかね」

 過去にも例がないほどの「戦国東都」だ。1部6校の実力差は均衡。各校がプロ注目の好投手を擁してリーグ戦を争う。昨秋V校で明治神宮大会準優勝の国学院大としても、全く油断できないシーズンになる。そんな現状を見据えた上で、指揮官は敢えて「笑顔で勝つ」と目標を定めた。

 「厳しい東都の世界で、笑顔で野球をし続ける、そして勝つのはすごく奥深い、大変なこと。勝つことの難しさ、厳しさ、大変さ、しんどさ…いろんな形容詞がある中で、そこに全部向き合ってクリアした上で、『笑顔で勝つ』ところに行き着きたいと思っています」

 最速149キロのエース左腕、今秋ドラフト候補の武内夏暉(3年=八幡南)は圧倒的な実力を持ち、昨秋リーグ戦では2完封を含む4勝無敗で優勝に貢献。MVPに輝いた。だからこそ、鳥山監督は「武内に頼り切らない戦い方をしたい」と語り、時代の変化に即した投手起用を思い描いた。

 「高校野球が継投で戦う時代になったように、これからの時代は複数のしっかりした投手を確立するのも必要だと思います。『東都のエースは3連投してナンボだ』という時代もありました。でも時代は変えていかなきゃならないし、変えられるほどバラエティーに富んだ選手はいっぱいいます。一人でも多くの選手にチャンスを与えられますし、ケガも未然に防ぐことが出来る。そこが『笑顔で勝つ』という、新たな時代のスタイルなのかなと思います」

 鳥山監督は学生野球の礎を築いた先人たちへ敬意を表しながら、変えるべき所は変えることが、野球界の未来には必要と訴えた。

 「かつては歯を食いしばって、厳しさを乗り越えながら、人間を鍛えて作り上げた時代がありました。それは今の野球界を作ってきたスタイルでしたが、時代の変化とともに新たなスタイルの中で人を作って、未来の子どもたちにも夢を与えて-という段階に入ってきていると思います。それを東都はやらなきゃいけない。次の世代に渡していかなければいけないんです。これはなかなか大きな仕事だと思っています」

 3年生たちが決めたスローガンは「トリプルゴール」。それまでは「個人の目標とチームの目標を同時に達成できるチームであること」を意味する「ダブルゴール」だったが、さらに増えた。もう一つの「ゴール」とは何だろうか。鳥山監督は前を見据え、言った。

 「卒業後も生かせるようなものを築きあげていく4年間にしようと。23歳以降の人生を充実させて行くことが大事だと、ずっと言ってきているので」

 「いま」を完全燃焼して、向上心を抱いて日々を過ごすことは、未来の自分への確かなギフトになる。それができる野球部であり、広い意味では野球界になるよう、研鑽を積んでいこう。そんなメッセージに聞こえた。新たな挑戦の1年が、幕を開けた。(加藤 弘士)

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