日々変化する世界情勢 問われる日本のリーダーシップ…谷本真由美著「世界のニュースを日本人は何も知らない4」

スポーツ報知
SNS上でも鋭いツイートで好評を博している谷本真由美氏

 元国連職員で著述家の谷本真由美さんの著書「世界のニュースを日本人は何も知らない4―前代未聞の事態に揺らぐ価値観―」(ワニブックスPLUS新書、990円)が幅広い世代から支持を得ている。37万部突破の人気シリーズで第4弾となる著書では、安倍晋三元首相の銃撃事件などについて深掘りし、世界から見た日本について分析している。(坂口 愛澄)

 昨年7月8日、安倍氏が凶弾に倒れ急死したことは日本だけでなく、世界でも大々的に報道された。英国在住13年目の谷本さんは「イギリスやアメリカでは、『安倍氏は偉大なリーダーかつ優秀な政治家』と報じられ、評価がかなり高かった」と指摘した。

 「イギリスなどの報道に関していえば、安全保障政策など政策面での評価が積極性も含めて非常に高かった。ヨーロッパからは『東アジアの国々は軍事的に不安定』という見方をされています。安定性を軸に置いていた政治家として報道されていました。また、日本は亡くなったという表現を多く用いていましたが、ヨーロッパなどでは殺害に何かしらの背景がある暗殺というワードが何度も使われていました」

 2016年に英で対面したことがある安倍氏に対して、英エリザベス女王が現地時間8日にお悔やみメッセージを出したが、この行動は異例だった。

 「扱いが別格でした。他国の首相にここまで迅速にメッセージを送るのは異例です。天皇陛下に送ったというのもやはり通常とは違います。品格、上品さがある人物と認めていたのです」

 英では日本の皇室のニュースもよく報じられているという。秋篠宮家長女の眞子さんと結婚した小室圭さんが抱えていた金銭問題が発覚した際には、国全体に衝撃が走ったという。

 「連日報道は絶えませんでした。英では王室の人と結婚する場合、貴族や金融業勤務が当たり前で資産30億円とかは標準なんです。お金というものを重視するため『ジャパンのプリンセスは問題も解決できずにいる資産もない男性と結婚して大丈夫なのか』という意見が多かった。批判よりも同情心のような感じですね」

 20年には新型コロナがまん延し、英ではロックダウン政策を行うなど対策を徹底。気軽にスーパーに入ることさえできなかったと明かした。

 「出入りするのも時間が決められるなど、入店制限が3か月続きました。生きた心地がしませんでした。マスクをしないなどコロナ規制を守らない人がとにかく多かった。食品を入手するのは苦労しましたね」

 英では新型コロナによる死者数が15万人を超えた。医療体制に関しても「日本より整備されていなかった」と指摘した。

 「普段から手洗い、入浴しない人が多いので、ワクチンが普及するまでストレスはすごかったです。日本だとECMO(体外式膜型人工肺)などがありますが、イギリスにはわずかしかない状況でした。現在は、高齢者などはインフルエンザ対策も踏まえてマスクも着けてますが、ほとんど着けていません」

 国連職員としても勤務経験がある谷本さんは、「さまざまな国の状況を分析する点でその経験が非常に役に立っている」と振り返った。世界情勢が日々変化する中で、23年はどのような年になるのだろうか。

 「ロシア問題は長引くと思いますが、そこで日本のリーダーシップが問われるでしょう。岸田首相がどんな対策をとるのか非常に注目です。激動の年になると予想しています」

 ◆谷本 真由美(たにもと・まゆみ)1975年、神奈川県生まれ。法政大卒業後、シラキュース大学大学院で国際関係論及び情報管理学修士を取得。ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社などに勤めていたことがあり、日、米、英、伊など世界各国での就労経験がある。趣味はハードロック、ヘビーメタル鑑賞。

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