中村歌昇&種之助兄弟、新春浅草歌舞伎「傾城反魂香」は「吉右衛門さんの残像との闘い」

スポーツ報知
兄弟で夫婦役を演じる「傾城反魂香」の中村歌昇(右)と中村種之助(C)松竹

 3年ぶりの開催となる新春浅草歌舞伎(浅草公会堂、24日千秋楽)の第2部「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」で中村歌昇(33)、中村種之助(29)兄弟が感情のこもった熱演を見せ、注目を集めている。

 言葉が不自由な絵師の又平(歌昇)と妻のおとく(種之助)の夫婦愛が奇跡を起こす感動物語。2021年に死去した中村吉右衛門さん(享年77)から又平役を教わった歌昇は「播磨屋一門として、吉右衛門さんが残したことは間違ってなかったと証明するのが、僕たちの使命。毎日、反省しながら吉右衛門さんの残像との闘いです」と強い覚悟を示した。

 2人は17年の勉強会「双蝶会」で又平、おとくを演じているが、1か月の興行では初めて。種之助は「『やっとできる』という喜びと『成長を見せないといけない』という責任を感じます」。女形は立役より一歩引いた役柄が一般的だが、おとくは又平を支えるため、必死に前に出ようとする。「ぐいぐい前に出るけど、自分のためではなく夫のため。感情が出やすい演目なので、押し付けにならないようにしたい」と気を引き締めている。

 父の中村又五郎(66)は自主性を尊重する教育方針で、歌舞伎俳優になることを強要しなかった。歌昇はバレーボール、種之助はサッカーに熱中するスポーツ少年だったが、10代後半に吉右衛門さんの舞台に魅了され「こういう役者になりたい」と自らの意思で進むべき道を決めた。2人は吉右衛門さんから「死ぬ気でやれ!」と激励された言葉を胸に刻み、舞台に立ち続けている。(有野 博幸)

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