いわて盛岡ボールパーク4月オープン 雪国の悲願、豪華屋内練習場も併設 記者が魅力を探索…こけら落としは花巻東対早実

スポーツ報知
いわて盛岡ボールパーク全景(盛岡南ボールパーク提供)

 今春、岩手県の盛岡南公園内に「いわて盛岡ボールパーク」(愛称・きたぎんボールパーク)が総事業費約108億円をかけてオープンする。プロ野球1軍公式戦が開催できる球場と屋内練習場だけでなく、ランニングコースやボルダリング壁など老若男女がスポーツを楽しめる設備が充実。4月1日にはオープニングセレモニーが開催される予定だ。ひと足早く記者が施設の魅力を探ってきた。(取材・構成=甲斐 毅彦)

 JR盛岡駅から南へ車で10分。いわて盛岡ボールパークは、ほぼ完成した状態だった。コロナ禍の影響で、着工は当初の予定より2か月遅れて21年6月となったが、22年12月末現在の工事進捗率は約96%。床張りを終えれば、あとはオープンを待つだけだ。案内してくれた清水建設の建設業務責任者・白鳥修さん(61)は、ここまでを「非常に厳しい工期でした」と振り返った。

 コロナ禍に加えて、待ち受けていたのは、2度の冬越え。積雪の影響も考慮して工事を進めなくてはならなかった。通常の野球場で使われる鉄筋コンクリートよりも、天候に左右されにくい鉄骨を採用するなど遅延防止の策を講じて乗り切った。

 それでは早速、施設内を見てみよう。時節柄、人工芝が雪に覆われていたのは残念だったが、両翼100メートル、中堅122メートルのグラウンドには格別な開放感があった。ダグアウトから鮮明に照らし出されたバックスクリーンのLEDパネルが目に飛び込んできた。

 設計担当者によると、ナイターの照明塔も見やすさにこだわっているそうだ。メジャーリーグなどで使用され、世界標準となりつつある米ムスコ・ライティング社の最新LED設備を導入。従来のものより台数が少なくても明るいだけではなく、上向きのアッパー照明なので、高い打球も見えやすい。

 続いて観客席へ。スタンドは盛岡市の花・カキツバタ、岩手県の花・キリ、伝統色・南部紫などを想起する紫色をベースにしたグラデーションカラーだ。外壁は「浄法寺うるわしレッド」など岩手県の地域色4種を使用。地元愛が散りばめられている。トイレは男女4か所にバランスよく配置。トイレ待ちで決定的瞬間を見逃してしまう悲劇も回避できそうだ。

 そして目を引いたのは、360度回遊できる2階のコンコースだ。1周560メートルで、ランニングコース兼用の公園路の一部となっている。試合がない日でも一般の人が楽しめる構造だ。

 見て回っているうちに、だいぶ寒くなってきた。そろそろ隣接の屋内練習場へ移動してみよう。雪化粧の外とは別世界の落ち着いた空間。手がかじかむ気候だからこそ、フットサルコート2面に対応するこの施設の価値を実感できた。

 新球場企画に携わって来た、テレビ岩手の元アナウンサーで現・同局開発センター社長の平井雅幸さん(58)が白い息を吐きながら力説した。「東北では冬場は雪で練習できなくなるのが、悩みの種です。すでに秋田県や青森県にはあった屋内練習場をつくることは、岩手県にとっての悲願だったんです」

 隣に目をやるとトレーニングルームと大きなボルダリング壁が見えた。ここならば、誰もがスポーツを通じてつながり合えるはずだ。春が待ち遠しくなってきた。

 新球場のこけら落としとして、4月1日に花巻東―早実(東京)、2日に盛岡大付―八戸学院光星(青森)と、県内強豪私立高校の試合が予定されていることが分かった。2月はじめにも公式発表される。花巻東の高校通算106本塁打のスラッガー・佐々木麟太郎内野手(2年)が新球場初アーチを放つか、注目だ。また2日の試合後にはグラウンドの一般開放も予定されており、実際に足を踏み入れることができる。                                                                                                                  プロ野球では5月16日に楽天―ソフトバンク戦、6月28日に巨人―ヤクルト戦が組まれている。楽天では銀次内野手(34)や阿部寿樹内野手(33)、巨人では堀田賢慎投手(21)ら岩手県出身選手が、地元の新球場で活躍する姿に期待がかかる。

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