第99回箱根駅伝3位から青学大が第100回大会で逆襲へ 新主将は志貴勇斗、副将は小原響が内定

スポーツ報知
青学大の新主将に内定した志貴勇斗(左)と副主将に内定した小原響

 第99回箱根駅伝(2、3日)で3位となり、連覇を逃した青学大が、来年の第100回大会で再び王座奪回するための新体制が固まった。前回1区5位で優勝に貢献したが、今回は16人の登録メンバーから外れた志貴勇斗(3年)が主将、3000メートル障害で日本学生歴代4位の小原響(3年)が副将に内定。2人の新リーダーは箱根直後のハイテクハーフマラソン(8日)で好走。王者・駒大を追いかける厳しい戦いが始まった。

 7分14秒。距離にして約2・4キロの大差をつけられて駒大に完敗した。

 「来季、厳しい戦いになることは覚悟しています」青学大の新主将に内定した志貴は表情を引き締めて話す。今回の箱根駅伝を走った10人のうち2区2位のエース近藤幸太郎(4年)をはじめ7人が卒業する。副将に内定した小原も「現状、今季のチームに比べたら弱い。基本を徹底してチーム力を上げていきたい」と前を見据えて話した。

 2人とも今回の箱根駅伝では16人の登録メンバーから外れた。前回の箱根では1区5位と優勝に貢献した志貴は今季、主力として期待されたが、出雲駅伝(昨年10月)で4区6位と苦戦し、その後、調子を落とした。「前回の(3年以下の)優勝メンバーで僕だけ登録メンバーに入ることができなかった。『僕は何をやっているんだろう』とふがいなかった。チームも優勝を逃し、本当に悔しい」と志貴は話す。

 小原は3000メートル障害で日本学生歴代4位の実績があり、1万メートルでもチーム7番手の28分28秒97の自己ベスト記録を持つが、登録メンバー入りの争いに絡めなかった。「今季、自分の成績は自分が一番、許せません」と語る。

 ただ、青学大の新チームを率いる2人は、気持ちを切り替えて箱根駅伝前後の練習やレースではリーダーらしい存在感を発揮した。

 昨年12月26日、登録メンバーから外れた選手による1万メートル学内記録会、通称「箱根0区」では、小原が29分7秒7(非公認記録の手動計測)でトップを取った。さらに小原は箱根駅伝直後に出場メンバー以外が「11区」として参戦したハイテクハーフマラソンでも自己ベスト記録の1時間3分5秒で、チームトップの塩出翔太(1年)に10秒遅れのチーム2位と健闘した。小原は「長い距離にも自信がついてきました」と前向きに話した。

 志貴は年末の「0区」1万メートル学内記録会では30分30秒もかかったが、「11区」のハーフマラソンでは1時間4分6秒と復調の気配を見せた。「昨年の箱根1区の時が100%ととすればまだ30%。もっと調子を上げていきたい」と意欲的に話した。

 中学3年時に全日本中学陸上3000メートルでそろって決勝に進出。二人の親交は長く深い。出身高校は志貴が山形南、小原が宮城・仙台二華。ともに東北の公立進学校。原晋監督は「2人とも柔軟な考えを持っている。楽しくもあり、厳しくもある青学大のチームカラーをさらに進化させてくれるでしょう青学大をさらに進化させてくれるでしょう。競技でもチームをガンガン引っ張ってほしい」と期待する。

 学生ラストシーズン。高い目標に向かって走る。3000メートル障害で日本歴代13位&日本学生歴代4位(8分27分80)の自己ベストを持つ小原は「トラックシーズンではブダペスト世界陸上(8月)を一番の目標にしています。参加標準記録が8分22秒00から8分15秒00に大幅に上がってハードルは高いですけど、挑戦します」ときっぱり話す。「秋以降、ロードシーズンでは学生3大駅伝にすべて出場してチームの優勝に貢献したい。箱根駅伝では3区、7区、10区のいずれかを走りたいです」と初の学生駅伝出場に向けて意欲をみなぎらせた。

 主将に立候補して内定した志貴は力強く所信表明を行った。

 「3年生の学年ミーティングで僕にキャプテンをやらせてほしい、と言いました。箱根優勝メンバーになったという喜び、箱根駅伝登録メンバーから外れたという悔しさも両方を知っています。その経験をチームのために生かします。(今季主将の)宮坂大器さん(4年)のようなキャプテンシーはありませんし、青学大のキャプテンという重圧もありますが、チームを引っ張っていきます」

 また、青学大の新チームの寮長は鈴木竜太朗(3年)、主務は赤坂匠マネジャー(3年)に内定した。

 箱根駅伝王者&3冠王の駒大は絶対エースの田沢廉(4年)、山野力(4年)らが卒業するが、来季も戦力は充実。特に山川拓馬が5区4位、伊藤蒼唯が6区区間賞とルーキーが活躍した山区間は盤石だ。箱根2位の中大、同4位の国学院大も戦力の上積みが期待できる。来季、青学大の箱根への道は険しいが、それでも、新リーダー志貴は決意は揺るぎない。

 「一選手としてはもう一度、1区を走り、チームを勢いづけたい。第100回箱根駅伝は青学大が優勝しなければいけないと思っています」と言い切った。節目の大会における覇権争いは、すでに熱くなっている。(竹内 達朗)

 ◆志貴 勇斗(しき・はやと)2001年12月27日、山形市生まれ。21歳。山形六中3年時に全日本中学3000メートル7位。山形南高3年時に全国高校総体1500メートル出場(予選敗退)。20年、青学大教育人間科学部入学。学生3大駅伝は2年時に全日本1区4位、箱根1区5位、3年時に出雲4区6位。自己ベスト記録は5000メートル13分53秒59、1万メートル28分50秒54。163センチ、47キロ。

 ◆小原 響(おばら・ひびき)2001年11月10日、宮城・多賀城市生まれ。21歳。仙台二華中3年時に全日本中学3000メートル17位。仙台二華高3年時に全国高校総体3000メートル障害13位。20年、青学大国際政治経済学部入学。2年時に日本選手権3000メートル障害5位。学生3大駅伝は出場経験なし。自己ベスト記録は5000メートル13分46秒54、1万メートル28分28秒97。180センチ、59キロ。

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