女優の長見玲亜(20)が、TBS系で放送中の連続ドラマ「Get Ready!」(日曜・後9時)で日曜劇場初出演を果たした。研修医役で出演する同作では、従来のイメージを一新するような「女を捨てた演技」を求められており、女優として一皮むけようと奮闘中だ。吸い込まれそうな大きな瞳と、かれんな雰囲気が魅力だが、今後の目標を「悪女役が似合う女優になること」と明かした。(奥津 友希乃)
目鼻立ちのはっきりした大人びた顔立ちだが、昨年20歳を迎えたばかり。「昔から『大人っぽいね』ってよく言われます。でも、しゃべるとちゃんと20歳です」と天真爛漫(てんしんらんまん)な笑顔も魅力だ。
バレーボールに打ち込んでいた中学1年生の時、長見の美ぼうを聞きつけた現在の所属事務所のスカウトが自宅を訪問。「急なことで驚きましたが、部活終わりのジャージー姿で写真を1枚撮ってもらって」と当時を振り返る。中学生向けファッション雑誌「nicola」の愛読者だっただけに、「悩みましたが、モデルさんに憧れがあったし、思い切ってやってみようと決断しました」と芸能界へ飛び込んだ。
2017年の女優デビュー当初からクールな容姿で注目を浴び、実年齢よりも上の役のオファーが続く。同年のドラマ「オトナ高校」では当時15歳ながら、23歳の銀行員役に抜てきされた。8歳も年上の役に「中学生だったので、ヒールを履いてスーツを着るのも初めて。まずはヒールで歩く練習や、難しい金融用語を覚えるのが大変でした」と苦労もあったが、堂々とOL役を演じきった。
映画やドラマで経験を積み、デビュー6年で「目標にしていた場所」という日曜劇場にたどりついた。「Get―」では、主演・妻夫木聡(42)や共演の藤原竜也(40)ら「闇医者チーム」とは一線を画す、大学病院チームの研修医役。医療シーンがメインではなく、菓子や食事を頬張りながら、闇医者チームのうわさ話に花を咲かせる役どころだ。
プロデューサーからは「女を捨てて演技してほしい」、演出の堤幸彦氏からも「食べたものを口から出してしゃべるぐらい、勢いよくやってほしい」と“殻を破った演技”を求められている。
「これまでは、年上の役を演じる機会も多かったこともあり、カメラの映り方で『足閉じて座らなきゃ』とか、自分の見せ方を気にしていました。今回の役は年齢的には近いのですが、かなり振り切ったキャラクターなので『こんな顔、こんな食べ方で大丈夫かな』とか、そういう心配はすごくあります。オンエアをみるのがドキドキです」
飾らない役柄には手探りの連続ながらも、女優としての新境地を予感している。
「女優の仕事を始めてから、いま一番壁にぶつかっているかもしれません。今まで気にしていたものを取っ払う勇気とか、壁を壊す時の難しさみたいなものがすごくあります。でも、コミカルな演技も挑戦してみると楽しいですし、表現の幅が広がる可能性を感じています」
出演作は「最低でも3回は見直す」という努力家だ。殺陣や英語の勉強、約2か月前からはタイ人のマネジャーと共に、本格的なタイ語の習得にも励んでいる。
「サブスクでタイのドラマを見るのが大好き。日本でもあるような学園ものも面白いし、タイの作品はボーイズラブなど題材が踏み込んでいる。いつかチャンスがあれば、タイのドラマにも出てみたいです」
今の一番の目標は「悪女を演じること」。武井咲が主演したドラマ「黒革の手帖」(2017年)での、武井の妖艶な悪女ぶりに魅せられたことをきっかけに憧れを抱いている。
「武井さんの『黒革の手帖』は、DVDで何回見たか覚えてないぐらい。私も、悪女役が似合う女優さんになるのが目標です。そのために、意地悪な女性や、ミステリアスな女性の役にもどんどん挑戦してみたいです」
◆長見 玲亜(ながみ・れあ)
▼生まれ 2002年5月28日、神奈川県生まれ。20歳
▼サイズ 身長158センチ、靴のサイズ23センチ
▼血液型 B
▼女優デビュー 2017年のフジテレビ系ドラマ「人は見た目が100パーセント」
▼主な出演作 ドラマ「いとしのニーナ」、「ウチの娘は、彼氏が出来ない!」など
▼特技 テニス、バレーボール、殺陣
▼好きな食べ物 ウニ、牡蠣(かき)、抹茶、かんぴょう
▼癒やし 愛犬との散歩