関甲新学生リーグの平成国際大が10日、埼玉・加須市の同校グラウンドで今年の初練習を行い、プロ注目の最速155キロ右腕・冨士隼斗投手(3年=大宮東)は「チームを大学野球選手権に連れて行きたい」と誓った。
高校時代は内野手兼投手で最速138キロ。球速的に通用しないと、投手を断念した時期もあった。それでも、大学3年になって急成長。昨夏のオープン戦で155キロをマークし、秋季リーグの関東学園大戦で17三振を奪ってノーヒットノーランを達成すると、その存在がクローズアップされるようになった。
「2年の夏に肘を疲労骨折して投げられない時期がありましたが、その間に体を大きくするトレーニングに取り組み、一塁側に流れるフォームのバランスを修正することで、スピードが出るようになりました」と冨士。これまでに牧田和久投手(元西武、楽天)、佐野泰雄投手(元西武)らを育てた大島義晴監督(54)は「ここまで(球速が)伸びるとは思わなかった。150キロの壁を簡単に超え、その後もどんどん球速が上がっていった」と驚きの表情で振り返った。
180センチの身長から投じる、角度があってスピンのかかったストレートが最大の武器。昨年12月に行われた侍ジャパン大学代表候補の強化合宿に参加すると、ここでも155キロを計測してみせた。目標は「チームを絶対に勝たせる投手」。オフシーズンは、落ちる変化球の精度を上げる練習に取り組む。現時点で卒業後の進路は決まっていないが、春季リーグ戦でさらなる進化を示せば、NPB球団の関心は、さらに高まりそうだ。