GP覇者・3億円レーサーの脇本参戦...和歌山競輪G3記念「和歌山グランプリ」12日開幕

スポーツ報知
前人未到の年間賞金3億円超えを果たした脇本雄太。今年も輪界最強を証明し続ける

 “3億円レーサー”脇本が参戦! 和歌山競輪の開設73周年記念「和歌山グランプリ」(G3)は12日から15日までの4日間、豪華メンバーが集結して激戦を繰り広げる。注目は昨年末の「KEIRINグランプリ2022」を制し、公営競技史上初の年間獲得賞金3億円超えを達成した脇本雄太。一昨年のGP覇者・古性優作と強力タッグで今年初戦に臨む。S班では新田祐大、松浦悠士、守沢太志も顔をそろえる。地元からは東口善朋、椎木尾拓哉、稲毛健太ら10人がエントリー。熱い戦いから目が離せない。

◆チャンピオンユニホームで戦う脇本雄太
 歴史が変わった。中野浩一氏がプロスポーツ初の年間1億円を突破してから34年、脇本が3億円レーサーになった。一昨年末に痛めた股関節付近の疲労骨折の影響で、昨年初頭にかけて長期の戦列離脱。さらにその影響で規定出走本数が足りず、6つのG1のうち3つを棒に振った。それでも「日本選手権」「オールスター」を制覇し、「グランプリ」初Vで金字塔を打ち立てた。輪界最強、いや輪史最強とも称される圧倒的なパフォーマンスは、他の追随を許さないレベルにある。

 「グランプリ」を翌日に控えた12月29日の平塚バンク。夕方の指定練習でスイッチが入った。脇本―松浦悠―古性優―郡司浩で並んで周回を繰り返し、最後に一本モガキを入れた。強烈な踏み出しに古性、郡司は一瞬で置き去りに。唯一食らい付いた松浦も差し込むことができず。見ていた他の選手がタイムを計測したところ、上がりが10秒7だったとか…。日が完全に落ちて冷えたバンクでこのスピード。レース後に古性が「12月初旬に岸和田で合宿した時とは別人だった」と漏らしたように、直前で戦える手応えを得たのは間違いない。

 11月の奈良「近畿地区プロ選手権」を走った時は「3億円は意識していない。それよりグランプリを含めた7冠を狙いたい」と語っていた脇本。“ゴールデンスラム”へは、「全日本選抜」「競輪祭」を残すのみ。S班の今年はG1フル参戦が約束されているだけに、こちらの達成も実現度は高い。チャンピオンユニホームで戦う23年も、主役の座に君臨し続ける。

◆グランプリで見せ場を作った松浦悠士
 4年連続で年末の大一番に臨んだが、今年も頂点には届かなかった。過去3度はすべて清水裕友とのタッグだったが、昨年は初めての単騎。「作戦を相談できる相手もいないし、そういう面の不安はあった」とはいうが、いざ号砲が鳴ると闘争本能に火が付いて、北日本分断策に打って出る。新田祐大、守沢太志の追い上げで勝負権を失ったとはいえ、十分見せ場を作ってグランプリを盛り上げた。

 もちろん、敗れた悔しさもある。昨年は年頭から「賞金王」を目標に掲げ、精力的にレースをこなした。G1タイトルはなかったものの、103レースを走り抜き、賞金3位でフィニッシュ。だが、競輪界では「賞金王」は「グランプリ制覇」と同義。最後に届かなかった何かを、今年も追い求めて初戦の和歌山に臨む。

◆新田祐大・立川完全Vの勢い
 年頭の立川記念を4連勝で制し、好スタートを切った。2年ぶりのS班とはいえ、通算では9期目。赤のレーサーパンツは、鍛え抜かれた脚によく似合う。競技人生の集大成をかけて臨んだ21年の東京五輪では苦杯をなめたが、昨年は史上4人目の「グランドスラム」(全冠制覇)を達成。立川優勝後には「年末のここでのグランプリに来られるように、一戦一戦頑張りたい」と決意を表明。勢いそのままに参戦する今回も、もちろん優勝候補だ。

◆シリーズ展望
 史上初の3億円レーサー・脇本が大本命だ。盟友・古性に加え、東口、稲毛、石塚らの地元勢で近畿が一大勢力を築く。他地区がどう脇本を攻略するかが、見どころになりそうだ。

 抵抗するのは北日本の新田。年頭の立川で自身初の記念完全Vを果たし、勢いは十分。脇本に匹敵するトップスピードはもちろん、守沢の援護も見込めるだけに、決勝を外すようなことはないだろう。

 松浦は地区的に援護は手薄だが、技を駆使して戦ったグランプリの印象もあり、総力で打倒・近畿に臨む。南関は深谷が追加参戦となり、和田とのタッグで上位進出が狙える。

 昨年さらに成長した真杉を擁する関東も、諸橋、武田豊、長島大らが顔をそろえて層は厚い。九州は山田がエース格だが、若手機動力型の伊藤、林大、阿部将らの踏ん張りが求められる。

◆有力メンバー
 守沢太志(37)=秋田=、新田祐大(36)=福島=、脇本雄太(33)=福井=、古性優作(31)=大阪=、松浦悠士(32)=広島=、山崎芳仁(43)=福島=、真杉匠(23)=栃木=、諸橋愛(45)=新潟=、和田健太郎(41)=千葉=、深谷知広(33)=静岡=、東口善朋(43)=和歌山=、椎木尾拓哉(37)=和歌山=、稲毛健太(33)=和歌山=、石塚輪太郎(29)=和歌山=、中西大(32)=和歌山=、山田英明(39)=佐賀=、南潤(25)=和歌山=、伊藤旭(22)=熊本=

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