柔道・中村美里が起業 現役を続けながら「誰かの、何かのきっかけになるような活動をしていきたい」

新年の抱負を語った中村美里
新年の抱負を語った中村美里

 柔道女子52キロ級で2008年北京、16年リオ五輪銅メダリストの中村美里が8日、昨年に起業したことを明かした。この日は東京・文京区の講道館で行われた鏡開き式で形の演舞を披露した。

 中村は昨年8月末に、約15年間所属した三井住友海上を退社した。その背景について「コーチというより、多くの人に自分の経験を伝えたいなという思いが出てきた」と語った。退社後は講道館や社外アドバイザーを務める三井住友海上で指導を行う一方、自身の思いを形にするために「株式会社T‐squarE」を設立したという。

 新会社では昨年はパーソナルレッスンのモニターを募集して指導するなど準備期間にあて、今年から本格的に事業に取り組んでいく方針だ。「一つは全国で継続的に柔道教室をやっていきたい。例えば離島とかでは、あまり柔道教室をやってもらえないかなと思うので、そういった機会も増やせればいいなとは思っています」。指導の対象についても「年齢、レベル、柔道歴に関係なく、いろんな方に教えたり、伝えていけるようになっていきたい」と将来像を描いた。

 現在は指導者としての活動が中心となっているが、現役を続ける意向も改めて明言した。昨年、右膝の前十字じん帯と半月板を手術し、約1か月間の入院生活を経て、リハビリに取り組んでおり「徐々に自分の練習もしっかりやっていきたい」。2019年4月の体重無差別の全日本女子選手権(皇后杯)を最後に試合から遠ざかっているが「出るからにはちゃんと練習を積んで、皇后杯の予選に出るのか、他の大会に出るのかを考えていきたい」と実戦復帰にも意欲を示した。

 社名の頭文字のTは「Trigger」「Turning」など「きっかけを届ける」という思いを込めた。33歳は今年の抱負を「その名前の通り、イベントなどを通じて自分の経験を伝え、誰かの、何かのきっかけになるような活動をしていきたい」と掲げた。

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