◆バレーボール 全国高校選手権 聖隷クリストファー1-2開智(4日、東京体育館)
開幕し、2年ぶり14度目出場の男子・聖隷クリストファーは開智(和歌山)に1―2で敗れた。チーム最多の22得点を叩き出した主将でエースの小野駿太(2年)を中心に第2セットを奪うも、2年ぶりの初戦突破とはならなかった。
聖隷の絶対的エースが初戦で涙をのんだ。U18日本代表でチーム最多の22得点を決めた小野を攻撃の起点とし「攻めのバレー」で第2セットを奪い取ったが白星をつかみ取れず。「最初が全然ダメ。第2セットは良くなってもそれじゃ勝てない」と背番号1が悔しさをあらわにした。
序盤は相手の早いスピードとテンポについていけず。県大会決勝でアタック決定率72%(19得点)の小野にボールを集めるも、28年連続出場の“常連校”開智に動きを読まれる。地に足がつかない状態で第1セットを16―25で落とした。
第2セットは12―13から「狙っていた」という小野の3連続サービスエースで逆転し、その後は一度もリードを奪われずに25―21で奪取。逆転ムードが流れる中、第3セットも“小野頼み”の攻撃を貫いたが、届かなかった。相手は時間差やバックアタックなど多彩な攻撃で変化をつけており、セッターの錦織陽綺(3年)は「(小野)駿太が相手に対策された。もっと工夫するべきだった」と、エースのアタックを封じられたことを悔やんだ。
昨夏インターハイ8強同士の対決に敗れた小野は「自分の技術不足」とうなだれた。4月に3年生となる小野にとって、敗戦と同時にリベンジの1年が始まった。田川明浩監督(55)は「小野で来ると分かっていても、決めきるのが本当のエース」と愛のゲキ。小野は「最上級生として自分がチームを引っ張る」と宣言。全国で勝利に導ける真のエースとして、再びこの舞台へと戻ってくる。(森 智宏)