今春のセンバツ出場が確実視される慶応(神奈川)が4日、横浜市内の同校グラウンドで今年初の練習を行い、森林貴彦監督(49)は創立者である福沢諭吉の言葉「自我作古(じがさっこ)」を用いて「自分たちが歴史を作るという決意で、向上心を持ってやっていこう」と呼びかけた。
昼のミーティングで指揮官は、「どれだけ謙虚にやれるか。謙虚とは向上心。向上心をどれだけ持てるかだ。上を目指してやりましょう。歴史を創る1年にしよう」とナインに力説した。
その中で、「慶応で働く者や学ぶ者が心に留めておく言葉」として「自我作古」を紹介。「我より古を作す(われよりいにしえをなす)」と読み、前人未踏の新分野に挑戦し、困難や試練が待ち受けていても、それに耐えて開拓に当たる-という、勇気と使命感を表した言葉だ。
「今年は野球部として新しい歴史を創る年。希望ではなく決意。そのための覚悟を示したい。このメンバーでこれをやっていこう」と約70人の部員へ呼びかけると、ナインは力強くうなずき、10キロ走、アメリカンノック、体幹トレといったハードメニューへと目を輝かせて取り組んだ。
10日間のオフが明け、上々の動きを見せた選手たちに森林監督は「歴史を創るためには、意気込みだけじゃダメ。実力と自信をつける冬にするのがテーマ。まだ実力も足りないし、自信も足りない。冬のうちにそれをつけようと伝えています」と意気揚々。ひと冬を越えたナインの成長に、期待を口にしていた。