【箱根駅伝】渡辺康幸氏「3冠は選手層、意欲、情熱がかみ合わないと生まれない。駒大は情熱が光った」

スポーツ報知
記念撮影する駒大の選手たち(代表撮影)

 駒大が10時間47分11秒で2年ぶり8度目の総合優勝を果たし、昨年の出雲全日本選抜、全日本と合わせ、史上5校目の大学駅伝3冠を達成した。往路首位からスタートし一度も首位を譲らず完全V。全区間5位以内でつなぐ選手層の厚さで逃げ切った。レース後、大八木弘明監督(64)は3月限りで総監督へと退く意向を表明。藤田敦史ヘッドコーチ(46)が後任監督となる。来年の100回大会は新体制で史上初の2年連続3冠に挑む。(晴れ、気温4・5度、湿度50%、北北西の風1メートル=午前9時現在=日本気象協会調べ)

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 駒大は「30秒以内」の間合いに決して中大を入れず、盤石に勝ちきった。区間の後半で、絶対に失速しない。運営管理車から聞こえる大八木監督の声も的確だった。選手の発汗や走り、力量を見極め、細かい指示を出していた。監督が上意下達の方針を改め、選手目線で対話しながらメニューを組むことで自立心を育んだ。選手は、日頃の練習に自信を持って駆け抜けた。だからこその完全Vだった。

 2010年度、早大を率いて学生駅伝3冠を経験することができた。各区間の距離や開催時期が異なる大会を総なめする3冠は〈1〉選手層〈2〉意欲〈3〉情熱の3つが同じ方向でかみ合わないと生まれない。今年の駒大は、特に情熱が光った。大八木監督が以前「情熱に勝る能力なし」という言葉が好きだと話してくれたのを思い出した。今大会限りでの退任を心に決めていた。選手にも、退路を断つ覚悟が伝わっていたのだろう。

 100回を迎える次回大会。史上初、2年連続の3冠にも注目が集まるが、もちろん簡単ではない。対抗馬としては、今大会を3年生以下主体のメンバーで戦って上位に入った中大、国学院大が面白いのではないかと思う。今年の往路のような三つどもえの激戦を、再び見てみたい。また、全国の大学に門戸が開かれるのも喜ばしい試みだ。ぜひとも関東以外の大学にもスタートラインに立ってもらい、全国の方々が楽しめる節目の大会になればと願っている。(元早大駅伝監督、住友電工監督・渡辺康幸)

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