【箱根駅伝】駒大完全Vで史上5校目の学生駅伝3冠!大八木監督、主力だけに涙で伝えていた「俺辞めるから」

スポーツ報知
ゴールする駒大アンカーの青柿響を迎えるチームメートら(カメラ・今成 良輔)

◆第99回東京箱根間往復大学駅伝競走復路 (3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 駒大が10時間47分11秒で2年ぶり8度目の総合優勝を果たし、昨年の出雲全日本選抜、全日本と合わせ、史上5校目の大学駅伝3冠を達成した。往路首位からスタートし一度も首位を譲らず完全V。全区間5位以内でつなぐ選手層の厚さで逃げ切った。レース後、大八木弘明監督(64)は3月限りで総監督へと退く意向を表明。藤田敦史ヘッドコーチ(46)が後任監督となる。来年の100回大会は新体制で史上初の2年連続3冠に挑む。(晴れ、気温4・5度、湿度50%、北北西の風1メートル=午前9時現在=日本気象協会調べ)

 藤色の歴代最強チームが大団円を迎えた。一丸となって大学陸上界屈指の名将に唯一、足りなかった「3冠」の勲章を贈った。駒大10区の青柿は、両手の指を3本立てる3冠ポーズでゴール。学生3大駅伝歴代最多27勝目を挙げた大八木監督は3度、冬空に舞った。「本当にうれしいですね。選手たちに3冠というプレゼントを頂いて、私は感無量です。もう最高の子どもたちですね」と満面の笑みを浮かべた。

 優勝候補筆頭がその実力を見せつけた。6区に当日変更で投入された1年生・伊藤が、持ち前の積極的な走りを披露。区間賞の快走で2位の中大との差を17秒広げた。7区以降も安定した走りを見せた。区間賞は6区伊藤の1つだけ。それでも全区間5位以内の安定感と総合力。出雲、全日本の2冠の立役者だった花尾恭輔(3年)とスーパールーキー・佐藤圭汰が12月に腹痛や体調不良に陥り、欠場となった。

 指揮官の決意がチームをまとめた。長野県内での夏合宿までは、チーム状況はなかなか上向かなかった。監督は山野主将、エースの田沢、円副将の3人を自室に呼んだ。「俺は今年で辞めるから。他の者たちには言わないように」と涙ながらに告白。「監督の今年に対する強い思いを聞いて。ここまで駒大を強くしてくれた監督に、有終の美を飾ってほしい、と本気になった。自分たち3人がチームを引っ張ってきました」と山野主将、田沢、円副将は打ち明けた。

 昨年10月の出雲駅伝から、同じ藤色のタスキをつないできた。その内側には全部員、スタッフの名前が記されている。98、13年度は2冠を獲得も箱根で2位と惜敗した。指揮官は「今回は、佐藤や花尾らエース格がいなくてもこれだけの結果を出せた。ミーティングで『全員が区間5番以内で走れば総合優勝はできる』と言いました。選手層の厚さをつくったのが勝因です」とうなずいた。

 今大会の優勝メンバーからエース・田沢、山野主将、円副将の3人が卒業する。7人が残り、来春には安原の弟で5000メートル13分台の海晴(滋賀学園)、村上響(世羅)ら強力な新入生も入学予定だ。世界陸上代表となった絶対エース・田沢は「来年度もまた3冠という目標を掲げている。2年連続の3冠は達成したところがないと思うので、来年も強い駒沢をつくってほしい」と後輩にエールを送った。新4年生を軸に“令和の常勝軍団”として新たな黄金時代を築く。(榎本 友一)

 【V戦士の声】

 10区・青柿響(3年、区間2位)「3冠の重圧は感じていた。(前の)9人が頑張ったので、ゴールテープを切れてよかった」

 9区・山野力(4年、区間3位)「自分たちがしてきたことを糧にまた新たにチームをつくって、強い駒沢を築いていってほしい」

 8区・赤星雄斗(3年、区間4位)「監督と4年生のつくってくれた最高のチーム。監督を胴上げできてうれしい」

 7区・安原太陽(3年、区間5位)「出雲、全日本、箱根全てに出場し、なかなかできない経験をさせてもらってうれしい」

 6区・伊藤蒼唯(1年、区間賞)「今回区間賞を取れたが、それを糧にまた来年度3冠できるように頑張っていきたい」

 5区・山川拓馬(1年、区間4位)「先輩たちのおかげでここまでこられた。来季も下級生なのでしっかり底上げしたい」

 4区・鈴木芽吹(3年、区間3位)「(来季も)3冠したい、という話は学年ミーティングではずっとしています」

 3区・篠原倖太朗(2年、区間2位)「昨年は当日変更で走れずに悔しい思いをして1年間、積み上げてきてうれしく思います」

 2区・田沢廉(4年、区間3位)「往路優勝、復路優勝もして、完全勝利で3冠を取れたことが非常に心に残る試合。全部に携われたのがうれしい」

 1区・円健介(4年、区間2位)「箱根駅伝が夢で大学に入ってきた。監督がすごく喜んでくれているのがうれしく思います」

 ◆学生駅伝3冠 10月の出雲駅伝(6区間45.1キロ)、11月の全日本大学駅伝(8区間106.8キロ)、翌年1月の箱根駅伝(10区間217.1キロ)の3大会を同一年度で制すこと。

 ◆大八木 弘明(おおやぎ・ひろあき)1958年7月30日、福島・会津若松市生まれ。64歳。会津工から小森印刷、川崎市役所を経て24歳で駒大入学。箱根駅伝は1年5区区間賞、2年2区5位、3年2区区間賞。4年時は年齢制限のため出場できず。87年卒業後、ヤクルトに入社。95年に駒大コーチに就任し、2004年に監督に昇格。指導者として学生駅伝最多の27勝を誇る。

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