紅白歌合戦だからこそ響いた有吉弘行の優しい歌声

スポーツ報知
純烈、ダチョウ倶楽部のメンバーと歌唱する有吉弘行

 もはや“国民的番組”という設定にムリがある。様々なコンテンツや娯楽があふれる多種多様な時代。出演者や関係者ら“出し手”と比べて、“受け手”の温度感は一昔と比べてかなり低い。「コタツでミカンを食べながら紅白でも…」なんて構図は、過去の遺物で、“ガキ使ロス”が叫ばれる時代。それでも音楽がいつの時代も求められる要因の1つに、その声と音が一瞬でタイムスリップさせる作用にあると思う。

 番組中盤。懐かしい歌声が響いた。有吉弘行がマイクを握った。毎日のようにテレビ画面から聞こえる声だが、普段よりもちょっとムーディーで、以前より厚みが増していたような歌声だった。

 猿岩石として一世を風びし、「白い雲のように」をリリースしたのは27年も前。その後「地獄」と表現する売れない時期やコンビの解散をへて、再ブレイクした。今や当代随一の売れっ子になった。だが、昨年は「悲しいこと」があった。直後のラジオでは、喪失感を吐露し、12月30日放送のテレビ朝日系「アメトーーク」では「なかなかつらいことがありまして。なかなか引きずっていて」と語った。1日放送のラジオでは、新春恒例のゲストだった上島竜兵さんが不在のことにも触れた。

 人生、色々ある。いろいろな人生を生きながら、それでも歌い、笑いをも織り交ぜた有吉の姿は、輝いていた。歌唱後には両手を合わせ、「上島も喜んでおります」と言った。天国の上島さんのために、ダチョウ倶楽部のために―。白いペンライトがゆっくり揺れる会場の光景は、いかに上島さんが日本中から愛されていたかも伝わった。そして、それは紅白歌合戦でしか見られない景色だった。(記者コラム)

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