◆プロレスリング・ノア「ABEMA presents NOAH“THE NEW YEAR”2023」(1日、日本武道館)観衆9500=超満員札止め
プロレスリング・ノアは1日、日本武道館で「ABEMA presents NOAH“THE NEW YEAR”2023」を開催した。
ダブルメインイベント2・スペシャルシングルマッチでグレート・ムタとWWEスーパースターのSHINSUKE NAKAMURA(中邑真輔)との奇跡の初対決が実現した。
序盤は正統的なグランドレスリングを展開もムタが天井へ向けた毒霧を吹くと場外戦へ突入。ムタが攻勢に出るとリング上ではSTFで捕獲し顔面をかみついた。中邑は蹴り、ニードロップで逆襲。ムタもドラゴンスクリューからのアキレス腱固めで応戦した。
さらに低空ドロップキックから足4の字固めで追い込む。中邑はシャイニングウィザードをブロックすると回し蹴りで逆転。しかし、ムタは中邑が突っ込んだところを真っ赤な毒霧を顔面に浴びせると場外戦で首絞め、かみつき、イス攻撃で追い込んだ。それでも中邑はナックルパート5連発で打開するとエプロンのムタをスリーパーで捕らえた。さらに花道を全速力で駆け抜けるラリアットでムタを倒し、飛びつき逆十字で追い詰めた。
ここでムタは緑の毒霧を顔面に噴射しシャイニングウィザードでカウント2に追い込んだ。それでも中邑はカウンターのキンシャサで逆転。ムタの口にキスする形で毒霧を吸い込むと中邑が毒霧を逆に噴射しキンシャサで勝利した。
リング上で中邑はマイクを持ち「奇跡を…奇跡をありがとう」「バイバイ マイアイドル ムタ イヤァオ!」と万感の思いを込めてムタへ惜別のメッセージを残した。2人は花道を肩を組んで引き上げると武道館はすさまじい拍手に包まれた。
中邑は、2002年に新日本プロレスでデビュー。23歳という最年少記録でIWGPヘビー級王者に就き、WWE殿堂入りのアントニオ猪木、ベイダー、グレート・ムタ、AJスタイルズらと並び同王座を3度戴冠した。2016年に世界最大の団体「WWE」へ移籍。NXTで頭角を現すと2017年4月に「Smack Down」へ昇格。18年1月に日本人で初めてロイヤルランぶるを制し、同年4月の「レッスルマニア34」のメインイベントでAJスタイルズのWWE王座へ挑戦した。その後もWWEのトップ戦線で活躍を続けている。
今回は2019年6月29日のWWE日本公演以来となる日本での試合となったが、WWEは他団体へ契約選手の参戦を事実上、認めておらずムタの代理人を務める武藤敬司の引退に伴うムタのラストという特別な状況をWWEも考慮し中邑の参戦を認めた。中邑自身も「奇跡」と表現する「歴史的な試合」となった。