篠原涼子「なんで、私?」も28年ぶり紅白で見せつけた存在感…トップ女優の原曲キー熱唱に集まった賛辞

スポーツ報知
28年ぶりの紅白歌合戦の大舞台で「恋しさと せつなさと 心強さと 2023」を熱唱した篠原涼子(カメラ・小泉 洋樹)

 3年ぶりにNHKホールに戻ってきた「第73回NHK紅白歌合戦」で最も株を上げたのが誰だったのか―。

 郷ひろみ(67)とのデュエットあり、きつねダンス披露ありのかわい過ぎる司会で絶賛の声が殺到した橋本環奈(23)か、名曲「卒業写真」のサプライズ歌唱で昭和世代を郷愁の坩堝(るつぼ)に巻き込んだ松任谷由実(68)か。いや、私が最も釘付けになったのは28年ぶりに歌の祭典に帰ってきた、あのトップ女優だった。

 その時、午後10時半。東京・NHKホールのステージのど真ん中に大胆にスリットの入ったベージュのロングドレスで立ったのは篠原涼子(49)。200万枚のダブルミリオンを達成した往年のメガヒット曲をリアレンジした「恋しさと せつなさと 心強さと 2023」での28年ぶり2度目の出場を飾った。

 歌唱前、「あっ、くるくる(パーマ)!」と07年のドラマ「ハケンの品格」で共演した司会・大泉洋(49)に呼びかけると、28年ぶりの大舞台選出について、「光栄だと思いますし、驚いています」と率直に明かした。

 そう、あくまでも「率直に」がこの人最大の魅力。本番2日前のこと。29日の午後に行われたリハーサルでも、音合わせ後にマスクを着けて1社1人に限定された取材陣の前に現れた篠原は、まずこう言った。

 「28年前に出場させていただいて、28年ぶりにまた『恋しさと―』を歌うということは全然、考えていなかった。コロナ禍で音楽を全然やっていなかったので、奇跡的なことだなと思います」とポツリ。

 ネット中心に「なぜ?」という声も上がった自身の28年ぶり選出についても「『出るんだよ』と、うかがった時は『なんで、私?』という感じがあったのと、うれしくも思いました。周りの人もすごく喜んでました。でも、『私でいいの?』はあった」と正直に答えた上で家族の反応について、「長男も次男もですけど、すごく喜んで。特に次男が『紅白大好きだから、その大好きな作品にママが出るなんて夢のようだ』って、すごく喜んでました」と母親の顔に戻って話した。

 2023年以降の歌手活動再開についての質問にも「あり得たらいいなと個人的には思ってますけど…。最初から歌がすごく好きだったので、知らず知らずのうちに演技(女優業が主体)になって離れてしまったので。目標・歌というのは変わらないので、チャンスがあったらと思ってます」と、これも率直に続けた。

 そして迎えた大みそかの夢舞台。90年アイドルグループ・東京パフォーマンスドール(TPD)のメンバーとしてデビュー。小室哲哉(64)全面プロデュースのもと「恋しさと―」で一世を風靡した後、「アンフェア」、「ハケンの品格」、22年は大ヒット作「silent」での主人公・想(目黒蓮)の母親役などトップ女優に登り詰めた篠原は久々のテレビ出演となった“恩師”小室のピアノ、コーラスのバックアップを受け、「恋しさ―」を28年前と同じ原曲キーのまま、堂々と歌い切った。

 リハ取材で「体力作りとか、(「silent」の役作りで)すごい太ったんで、絞るという意味でも鍛えたりしないとって。腹筋ないと歌えないし、ボイトレもさせていただきました」と明かした努力がそのまま報われた形の心に響く歌声にネットも沸騰。歌唱直後には「色気がエグかったし、美しかった」、「歌う直前までなんで今さらと思っていたけど、篠原涼子は昔より美しく歌声も響いた」、「高音は若い頃より出ていなかったけど、色気がすごかった」、「最初は何で出場?と思っていたけど、この曲は完全に篠原さんの曲だと思った」などの声が殺到した。

 確かに28年前の高音の伸びこそなかったかも知れないが、それを補って余りある長年の女優経験で身につけた存在感、射貫かれるような目線の飛ばし方、誰もが認める「色気」に私も4分間の歌唱の間中、圧倒された。

 そう、1人の駆け出しの歌手として「(肌が)全部出ているみたいな感じで恥ずかしかった」という露出過多な衣装で出場した94年の紅白から28年。女優として様々な経験を積んだ篠原は長年の努力で培ってきたその存在感すべてをNHKホールのステージ上で解き放ったのだった。

 リハーサルの際、こうも明かしていた篠原。「小室さんから『大人になっても歌える曲を作ったよ』って。『やっぱり、大人になっても歌える曲になったね』って言われて…。今回も『奇跡的なことだね』って言われました」―。

 そう、トップ女優にさえ「奇跡」を起こす夢舞台。それこそが紅白歌合戦。国民的番組と言われ続けるのには、確かに理由がある。(記者コラム・中村 健吾)

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