紅白歌合戦・氷川きよし ラストステージでの圧巻パフォーマンスと衣装の理由

スポーツ報知
歌唱する氷川きよし(カメラ・小泉 洋樹)

 新型コロナとの付き合い方にも慣れ、ほぼ例年通りにリハーサルも本番も行われた第73回NHK紅白歌合戦。リハ、当日と4日間、東京・渋谷のNHK内に詰めていると、食堂など館内でアーティストを見かける場面が増えた。もちろんマスク着用と無駄口禁止は徹底。それでも外見的には以前の光景が戻ってきている。

 演歌歌手やアイドルグループらとすれ違いながら、ひときわ目を引いたのは氷川きよしだ。周囲のスタッフより背も高く、リハでは羽根の生えたような衣装。マネジャー、関係者ら一団が歩いていると、すぐに分かる。所属事務所のトラブルや独立騒動が報じられることもあるが、スタッフの顔ぶれはいつもと同じ。何となく安心しながらその場を離れる。

 本番では圧巻のパフォーマンスだった。好きな赤色の大きなフェニックスに乗っての「限界突破×サバイバー」。ラストステージと感じさせない歌唱だった。

 一昨年の1月に無期限活動休止を発表して驚かせた。それでも、だんだんと気持ちの整理がついてきたのだろう。公演のたびに発言も少しずつ変わってきていた。「自分の時間を作らせて」「今後、もし求められるのなら」「もし戻ってきたら…」。それによってこちらの表現も「無期限活動休止」から「歌手活動休止」へと変わってくる。そして紅白では「必ず帰ってきます」と言い切っていた。

 笑顔にも明るさが戻っている。一昨年の発表当初は申し訳なさそうな暗い顔だった。だが紅白の最後では舌をペロッとしてみせた。また帰ってくるから心配しないでと言っているような表情だった。

 明るい性格に負けん気を併せ持つ。取材などでも、こちらが「疲れていますか?」と聞けば聞くほど「全然」「元気ですよ」と返してくる。それでも舞台、公演、歌番組と仕事に引っ張りだこ。喉だけではなく、肉体的にも疲労がたまっていないはずがない。

 SNSなどでは、自身の内面で悩みがあるのでは、との声もある。ただ、最近の氷川を見ていると「男らしさ」「女らしさ」「演歌歌手」「ポップシンガー」のジャンルを超越したような“kiinaらしさ”という新たなカテゴリーが確立しつつある。

 探して続けていた自分は見つけつつある、少し体を休ませるだけ。今回の演出、フェニックス(不死鳥)にはそんな意味が込められているのだろう。(浦本 将樹)

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