オリックス・中嶋聡監督(53)が31日、森友哉捕手(27)にサバイバルを指令した。西武からFAで加入した正捕手候補について、ポジションを空けて待つ考えはない様子。「そんな簡単に譲る捕手陣じゃない」と、あくまで現有戦力と競争させるつもりだ。
昨季の西武戦は11勝14敗。同一リーグで最多の負け越しを喫し、対チーム別でワーストの打率2割1分7厘と苦しんだ。中嶋監督は「すごく嫌な攻め方をすると思った。しつこく(各打者の)弱点を突いてくる」と森のリード面を評価。補強の目玉として期待値は高いが「もちろん、そう(競争)だと思います。勝ってきた自信もあるでしょう」とリーグ連覇、日本一に貢献した若月、頓宮らの頑張りにも目を向けた。
チームでは宮城、山崎福ら先発左腕のリードに定評のあった伏見がFAで日本ハムへ移籍。森自身の意識は高く、昨年11月の入団会見で「できれば全試合、マスクをかぶるぐらいの気持ちでやっていきたい」とプロ10年目で初の全試合出場を目標に掲げている。「年齢的に言うと、一番いい時じゃないですか。これから円熟味(が増す)というか、全然成長できると思う」。今年8月で28歳。夢はかなわなかったが、選手時代の中嶋監督が米大リーグ挑戦を表明した時期と重なる。扇の要も横一線。見極めを続け、勝負できる布陣を整える。(長田 亨)