昨年12月14日の全日本2歳優駿・交流G1を3連勝で制したデルマソトガケ(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎、父マインドユアビスケッツ)。初のマイル戦で松若風馬騎手が気合をつけつつ追走し、4角ではステッキが入っていた。直線はゴール前でようやく手前を替えてもうひと伸びし、2着のオマツリオトコを頭差とらえた。
担当の瀬川助手は「マイルは短かったですね。エンジンがかかったのはラスト50メートルでした。根性があるし、前をとらえに行きます。手前も前に並んでから替えていましたね。ファイトするから替えられるし、気持ちが強い。ズルをしないのがセールスポイントです」と愛馬をたたえる。
次走はサウジダービー・G3(2月25日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1600メートル)を予定。全日本2歳優駿はコーナー4つだったが、器用さに欠ける現状ではワンターンに替わるのは良さそうだ。ナイター競馬を経験できたのも心強い。瀬川助手は「装鞍所まではおとなしいんですが、パドックから気合が乗り過ぎます。サウジでは滞在競馬になりますが、こればっかりはやってみないと分かりません。ただ行くだけではなく、勝ちに行かないといけない馬になりましたね」と気を引き締める。ここでいい競馬をすれば、クラウンプライドが昨年歩んだ路線(UAEダービー、ケンタッキーダービー)も視野に入ってくる。「まだまだ完成は先」(同助手)という未完の大器が、23年のダート路線を盛り上げる。(玉木 宏征)