キタサンブラック産駒はデビュー前、雄大な父の馬体のイメージからガッチリとしたパワー色の強いイメージを持たれがちだった。確かに馬体の大きな馬は多い。ただ、G1で2勝のイクイノックスやアルテミスS勝ちのラヴェルなど重賞クラスで活躍する馬の武器は上質な瞬発力だろう。
ジャスティンスカイ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎、父キタサンブラック)は520キロを超える大型馬。2歳夏に洋芝の北海道でのデビューを選んだようにパワータイプの見立てだったうえ、芝中長距離中心の起用だった。
ところが、今秋にマイルへ投入後、素質が突然、覚醒する。今までの詰めの甘さが噓のように上がり33秒台の脚を繰り出し、全く危なげのない内容で連勝。特に前走の秋色Sはメンバーレベルも高かったし、1分32秒0はのちにマイルCSを勝つセリフォスの富士S勝ち時計と同じ秋の東京開催での最速タイム。相当に距離適性は高い。
現在は放牧を挟んでいるが、まだキャリア7戦。伸びしろはかなり見込める。芝の本格派が主流の友道厩舎の中で異色派と言えるマイラーが、今年は我が道を突き進んでいく。(山本 武志)