■森木大智 2年目を迎えた阪神・森木大智投手は「とにかく1軍で場数を増やしたい。5勝はしたい。6月くらいには1軍の救世主に」と冷静に自身を見つめた。背伸びをしすぎない目標は、地に足を着けている証拠。派手な誓いよりも、逆に飛躍の予感が漂った。
高知高からドラフト1位で入団した22年は、同世代の投手で真っ先に1軍のマウンドに立った。8月28日の中日戦(バンテリンD)。6回3失点で敗れたが、5回まで無失点と能力を示した。9月10日のDeNA戦(横浜)でも先発。高卒1年目としては十分に合格点だが「プロの厳しさを感じた1年。1軍で投げさせてもらったのに結果を残せなくて、すごく悔しかった」と振り返った。
結果はもちろん、痛感しているのは長いシーズンを戦う厳しさ。「年間を通じて高いパフォーマンスを出せるように。ちゃんと体と向き合って」とオフを過ごす。昨年10月に首を痛めてノースロー。2月にブルペン投球、3月中の実戦登板を目指しているが「レベルアップにケガをしている、していないは関係ない」と言い切った。「しなやかに体を動かせるように」と、まずは故障の原因や予防策を含めた体づくりと真剣に向き合った。
「体の構造の本とかをよく読んでいます。野球の動きはイメージできるけど、その前に骨や関節、筋肉の付き方を知って。どこをどう使えば、どんな筋肉が働いて鍛えられるか。より効率のいいトレーニングを」
さらにサプリメントの研究も行い、体幹強化やストレッチの方法を工夫。ピラティスの導入も考えている。その好奇心と向上心は入団直後から周囲を驚かせていたが、さらに増した。「打たれたりしても、前に前に進んでいくという気持ちが芽生えた。どんどん挑戦して」とさわやかな笑顔。「岡田監督に代わったし、1年目と同じ気持ちで、どんどんアピールして」とジャンプする。
◆森木 大智(もりき・だいち)2003年4月17日、高知・土佐市生まれ。18歳。小1からソフトボールを始め、3年から軟式野球に転向。高知中では軟式野球部で3年春夏に全国大会優勝。球速150キロを出して全国的な注目を集める。高知高では1年春からベンチ入り。甲子園出場なし。21年ドラフト1位で阪神入団。今季は登板2試合で0勝2敗、防御率6・23。来季年俸1200万円。背番号20。184センチ、90キロ。右投右打。