【巨人】阿部慎之助ヘッド、坂本勇人に35歳の壁突破指令…自身は34歳32発も翌年以降20発届かず

スポーツ報知
阿部(左)と坂本

 巨人の阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ(43)が28日、坂本勇人内野手(34)に“35歳の壁”突破指令を出した。今季3度の戦線離脱を経験した大黒柱に対し、自身の経験から35歳を超えると選手としての能力は上がらなくなるため、今オフが“貯金”をつくる最後のタイミングになると力説。原監督もこれまでに「ここからひとムチ入れなきゃいけない時期」と指摘しており、年齢の壁を乗り越える期待を込めた注文となった。

 勇人ならできる―。阿部ヘッドの口調には熱い期待が込められていた。坂本は今季、開幕直前も含めて3度の離脱を余儀なくされ、遊撃での先発はレギュラー定着後最少の82試合。打率2割8分6厘、5本塁打、33打点に終わり、来季は復活をかけた1年になる。40歳までプレーした阿部ヘッドは、自らの経験から35歳という年齢が今後の野球人生を左右する一つの分岐点になると力説した。

 「自分でそこは考えているでしょう。『もう一回、最後だと思って鍛え直します』と言っていた。35を超えたらもう能力は上がらない。どう維持するかという方に方向転換していく。追い込んでやるというのは今年が最後ぐらいじゃないですかね」

 阿部ヘッドは34歳で迎えた13年に32本塁打を放ったが、翌14年は19本にとどまり、以降19年の引退まで20発には届かなかった。13年オフには「1年でも長く現役をやりたい」と、それまで敬遠していたウェートトレを導入。基礎体力の強化に励むなど変化を加えて肉体を追い込んだが“35歳の壁”を味わった一人だからこそ坂本に金言を授けた。

 原監督も同様の意見を持つ。実体験に基づき、20年オフには「ここから、ひとムチ入れなきゃいけない時期」と坂本に注文をつけた。指揮官自身、33歳で開幕した92年は28本塁打を放ったが、翌93年は故障もあり98試合で11発と初めて規定打席に届かなかった。阿部ヘッド同様の経験があるからこそ、その壁を乗り越えてほしい思いは強いはずだ。

 坂本は来季、遊撃一本で勝負する決意を示し「そこをどう打ち破っていくか。来年がさらに大事」と自覚を込める。長打力を取り戻すためにスイング量を増やし、体の柔軟性や関節の可動域を広げるメニューにも挑戦するなど、輝きを取り戻す覚悟だ。オフ、どれだけ自分を追い込めるか―。その時間が、壁を越える原動力になる。(小島 和之)

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