巨人・丸佳浩外野手(33)が27日、レギュラーを狙う若手らに“激辛エール”を送った。原辰徳監督(64)から右翼への転向を打診されており、来季はヤングGでセンターの座を争う構図。それでも「正直、外野手争いというほど選手がいるのかな…と思っている」と現状の物足りなさを口にし、中堅に戻ることも視野に入れて自主トレに励んでいることを明かした。
プロはそんな甘い世界じゃない。7年連続20本塁打と第一線で活躍し続ける丸のメッセージだからこそ、重く響いた。原監督に来季の右翼コンバート案を伝えられてから、より後輩たちのことを考える時間が増えたのかもしれない。「正直、外野手争いというほど選手がいるのかな…と思っている」と中堅を狙う若手たちを想像し、言葉を続けた。
「監督も『誰もいなければセンターにまた戻ってもらう』という話をされましたけど。そうならないように。そうなってほしくないなと思っていますけど。現状では戻るつもりもあります。戻らざるを得ない状況になってしまうんじゃないかという思いもあります」
ドラフト2位・萩尾(慶大)や現役ドラフトで楽天から移籍してきたオコエ、獲得調査中のブリンソンもセンターを狙う一人だ。丸は「若い選手にとって刺激になると思います。しっかり発奮材料にしていけたらいいんじゃないですかね」とオコエの加入を大歓迎。また今のチーム状況を分析し、一人一人に一流を目指す上での心構えを説いた。
「僕がこんなことを言うのもあれですけど、誤解を生んでしまうかもしれないですけど、非常にチャンスがある。ピッチャーも野手も。そこで若い選手がどういった思いでやっていくのか。(今年)それなりに出た若手、中堅がいたと思います。ただ、その中で満足してしまうというか。大丈夫だと思ってほしくない。僕もそうですけど一日一日が勝負なので。特に若い選手は、目を付けてもらってる選手たちは本当に人生のターニングポイントになってくると思うので、一人一人が自覚してほしい」
広島時代のまだ駆け出しだった頃。当時の野村謙二郎監督から監督室に呼び出された。「出てる間に野球選手としてのページを1枚ずつ増やしていかなあかんぞ」とハッパを掛けられ、練習に明け暮れた。「今の立ち位置、今の状況というのをしっかりと考えて、取り組んでもらえたらなと思います」。覇権奪回には若い力が必要。だからこそ、一言一言に熱気が込められていた。(中野 雄太)