【ヤクルト】連覇を支えたムードメーカー奥村展征…担当記者が見た2022総集編

スポーツ報知
奥村展征

 圧倒的な強さを見せつけ、堂々のリーグ連覇。劣勢になってもベンチでは声と笑顔が絶えない。実力もさることながら、これがヤクルトの強さの秘密だろう。点差があろうが、2死からの出塁だろうが、最前列の控え選手から打席の準備をしている山田ら出場選手まで、全員が声を張り上げて、拳を突き上げる。高校球児のような一体感だった。

 ひときわ目立つのは、9年目の奥村展征内野手(27)。試合前円陣の中心には決まって奥村がいる。身ぶり手ぶりで訓示し、エールを送り、笑いも誘う。ファン感謝祭では、チアリーダーと並んで踊って場を盛り上げた。「そういう選手が必要」と高津監督も認めるムードメーカーだ。

 誰かがホームランを打てば、隣の長岡の手を握って、手の甲に「ちゅっ」。長岡は「意味分からないです(笑い)。でも、のぶさん(奥村)がそうやってチームを盛り上げてくれる」。ピンチの時ほど投手に声をかけ、ミスした選手にはそっと寄り添った。その一方、自身についての不安は尽きなかった。

 昨季は主に守備固めとして43試合に出場し、打率1割4分6厘。伴わない結果に「自分の進んでいかないといけない道はなんだろう」と悩んだこともあったが、行動を共にする村上ら周囲の言葉で役割に自信を持てた。「チームが崩れそうな時、士気を下げないよう、意識してやっていた。それが2連覇に届いたのは、プラスになった」。だが、満足はしていない。「レギュラー定着を目指してやっていく」。チームが目指す球団初のリーグ3連覇。その輪の中にはきっと奥村がいる。(森下 知玲)

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